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7インチ盤専門店雑記666「グレート・カヴァー1:ソー・ファー・アウェイ」

キャロル・キングの「つづれおり Tapestry」は誰もが認める大名盤ですが、7インチ盤専門店的には、オススメするのも、しょっちゅう聴くのも、どうしてもファースト・シングル「It's Too Late / I Feel The Earth Move」ということになってしまいます。他にもいい曲がいっぱいあるんですけどね。

セカンド・シングルは「So Far Away / Smackwater Jack」、連続で失恋ソングをシングル・カットしてきたわけですが、結果としては14位どまりでした。如何せん歴史的によく売れたアルバムの収録曲で、しかも猛烈なロングラン・ヒットの最中ですから、セカンド・シングルには厳しい条件下ですね。

正直なところ、この4曲、どれもシングルのA面にできる曲ですね。加えて「You've Got A Friend」もありますからねぇ、やはり凄いアルバムですね。

1995年に「Tapestry Revisited」というキャロル・キングへのトリビュート・アルバムがリリースされました。この中でロッド・スチュワートが「ソー・ファー・アウェイ」を歌っておりまして、これが素晴らしいカヴァーなんです。何と申しましょうか、その他があまり面白くないと言った方が正解なのですが、他の曲の方がお好きな方もいらっしゃるかも知れませんから、あまりハッキリ言うべきではないのでしょうね。そんなわけで、誰が参加しているとか詳述はしません。

音楽って多分に好き嫌いの要素もありますから、特定の曲なりを悪く言うことは普段から極力避けておりますが、この盤、個人的にはロッド以外に聴きどころがないんですよ。だから直ぐに手放したんです。久々にYouTubeで聴いてしまって、やはりコレはいいカヴァーだったなと思いましてね。ロッド・スチュワートに関しては、彼の名唱Top10に入れたいところです。ロッドのために書かれたのではと思いたくなってしまいます。ロッド・スチュワートって、さりげなく歌った時に実力を感じるんですよねぇ。さらっと歌ったバラードとかが、妙に沁みるんですよねぇ。

ロッドは70年代前半がいいという方は多いんですけど、私は21世紀になってからアレコレ手を変え品を変えしながら大量のカヴァー楽曲を生み出してくれた時期のロッドも好きなんです。「ザ・グレート・アメリカン・ソングブック」の1,2,3,4,5とか、「グレート・ロック・クラシックス Still The Same」とか、「ソウルブック」とか、「アナザー・カントリー」とか、いろいろありましたよね…。やっぱり歌が上手いから、安心して聴けるんですよね。

見方を変えれば、キャロル・キングって、シンガー・ソングライターの代表的存在ですが、その前に職業作曲家として他人に提供する曲をいっぱい書いていた時期がある人ですよね。滅茶苦茶歌が上手い人のオリジナルをカヴァーするのと違って、原石みたいな曲がいっぱいあるキャロル・キングの曲をカヴァーするのは、案外やり易い作業なのかも知れませんね。

オリジナルとカヴァー、どっちが好きか…、やっぱり両方いいな、コレ。


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