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7インチ盤専門店雑記107「ブラック・アンド・ホワイト」

スリー・ドッグ・ナイトの「ブラック・アンド・ホワイト」も大好きな曲です。1972年の夏以降、本当によく聴いた曲でした。あのイントロ、ラジオでもよく聴こえるんです。AM局の音でもしっかり聴こえるので、やっぱりインプレッシヴです。子どもながらに人種差別反対の歌詞なんだということも理解していました。

私は大学では憲法訴訟ゼミに所属しておりました。卒論のテーマは「基本的人権のダブル・スタンダード」、今では当たり前に語られる内容かもしれませんが、40年前は新分野でした。そんな関係で、比較憲法的な話題にはどうしても目が行きます。1954年のブラウン対教育委員会裁判、やはり忘れてはいません。黒人と白人の分離政策に基づいて、人権は平等だけど分離するというカンザス州の州法が違憲とされた裁判例です。これが黒人公民権運動への道筋をつけたわけでして、歴史的な重要判例というわけです。

この曲は、この判例のことを歌っているのですが、もちろんカヴァーです。作詞はデヴィッド・I・アーキンという元教員で、作曲はアール・ロビンソン、初出はなんとピート・シ―ガ―なんですね。ブルース・スプリングスティーンがカヴァー集を出した偉大なるフォーク・シンガーですね。スプリングスティーンの「シ―ガ―・セッションズ」は結構好きなアルバムです。…割りに聴き飽きますけどね。単調ですからね。

この曲、多くのカヴァーを生んでいるということですが、その多くは歌詞の最も重要な部分を省略しているという記事もあり、ちょいと残念な気分になってしまいます。…さて、スリー・ドッグ・ナイトの歌詞は…、ちゃんと歌ってますね。

今あらためて聴くと、よく出来た曲なんですよ、これが。子どもでも歌えるように簡単な単語しか使ってなくて、言わんとしていることは、結構ストレートでしっかり伝わります。中学生のときにこの曲に出会えてよかったなと、認識を新たにしております。

あ、7インチ・シングル、状態のいいブツが何枚かあります。お好きな方はお早めに。





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