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7インチ盤専門店雑記645「Black Market Clash」

10インチ盤ネタを続けます。1980年にリリースされた、ザ・クラッシュのB面曲集です。ヘッダー写真ではサイズがわかり難いですが、10インチ盤です。翌年に12インチ盤で再発しておりますが、オリジナル・リリースは10インチ盤です。

前年1979年12月にリリースされた3rdアルバム「London Calling」は英国9位、米国27位というかなりのヒットになっておりますから、こういったものも売れたようです。コンピレーションとはいえ、米国74位まで行っております。

当時は「なんだ、パンクか…」といった空気感が私の周辺でもありましたし、古い側の人間は直ぐに飛びつくものではありませんでした。でもザ・クラッシュなどは徐々に評価が高まり、実際に「London Calling」は曲のクオリティも高かったので、私も少し遅ればせながらも買ってみました。そして、思い切りハマりました。…他のパンクロックは全然聴いてないに近いですけどね。「London Calling」はもうフツーのポップ・カルチャーのサイドからも、十分受け入れられるものでしたね。

おバカを演じていた部分がそれなりにあるのだろうとは思いますが、パンクを受容するのは勇気が要りましたね。でもザ・クラッシュの場合は反体制側のメッセージとしてあまりにも分かり易く、そしてさすがに世の中が動きましたからね。

ただ、この時代、10インチ盤は全く市場から消えていたはずなんですが、何故ここでこの連中は、これを10インチ盤でリリースしたのでしょうか?

個人的には、ザ・クラッシュには1曲大好きな曲がありまして、あちこちで書いておりますが、「London Calling」収録の「Lost In The Supermarket」といいます。これは、私的には完璧なポップネスです。メロディといい、微笑ましい歌詞といい、完全にポップスです。この時代に、このパンクロッカーが歌ったから評価が違ってしまったかもしれませんが、違う時代に違う立場の人間が歌ったら、もっと評価されたのでは、などと考えてしまいます。他にもこのアルバムで言えば、「Clampdown」も「Rudie Can’t Fail」も大好きなんですが、アタマ一つ抜け出して「Lost In The Supermarket」が好きなんです。

他にも、ザ・クラッシュで言えば、「Combat Rock」収録の「Should I Stay Or Should I Go」も何でか好きなんですよね。結局のところ、この連中のメロディメーカーとしてのセンスが相当良いと思うのですが、如何なものでしょうか?40年も経てば、そろそろパンクは聴かないという方にも受け入れられる時代になったのではないでしょうか。

私の場合、セックス・ピストルズなどは、リアルタイムではかなりのレベルで拒絶反応を示してしまったのですが、今聴くと意外にポップなんだなと思います。歌い方が好きになれないという部分はありますが、時代の音として十分楽しめるレベルにまで受容度は上がってきました。ザ・クラッシュはもう十分以上に楽しめております。…凄いポップですよ。

もっとカヴァーされてもいいと思うんですけどね。

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