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7インチ盤専門店雑記528「カヴァー・ソングス」

以前からアメリカ人よりもイギリス人の方がストレートにブルースメンへのリスペクトを表明すると書いておりますが、人気ブルースメンも英国ツアーとか積極的にやってますしね。… J.ガイルズ・バンドのピーター・ウルフとか、一部のアメリカ人も猛烈なリスペクトを持っていますけど、とにかくカヴァー・ソングというものが、最近は楽しくていけません。

でもブルース・トラディショナルはそれほどでもないんです。面白いものもありますが、まあまあです。もっと自己のルーツを晒すようなオールディーズやロックンロールとかの話です。特に英国のロッカーって数人寄れば古いロカビリーとかやったりして、ライヴの終盤に盛り上がっていたりしますよね。あの感じが好きなんです。ジュールズ・ホランドが司会を務めるレイターというTVプログラムなんぞ観ると、やたらとやってますよね。…何か凄く楽しそうなんですよ。

ジミー・ペイジとポール・ロジャースが組んだThe Firmでもライヴの最後に「Everybody Needs Somebody To Love」をやっていましたけど、アレ大好きなんです。ハニードリッパーズとかもあって、個人的には思い切り古い曲のカヴァーに目が向いた時期です。ジェフ・ベックだって、ロッド・スチュワートをフィーチャーして「People Get Ready」をやったり、ヴァニラ・ファッジに覆面参加してシュープリームスの曲「My World Is Empty」とかやっていました。そのロッド・スチュワートは面白いカヴァーがいっぱいある人でした。黒っぽい曲をやるとエラく格好良かったです。しまいにはフリーの「オール・ライト・ナウ」までやってますけど、アレに関しては、選曲のセンスはイマイチかなぁ…。

最近ブルース・ブラザーズのレコードを探していらっしゃる方が多いんです。ウチだけの特殊事情か否かは知りようもありませんが、やたらと続いています。7inchシングルは売り切れ、LPも売りボックスの盤は旅立って行きました。80年代にやたらと面白いカヴァー・ソングがリリースされたことに、あの映画の影響ってあるのでしょうか。「Everybody Needs Somebody To Love」もやってましたね。元はSNL、サタデイ・ナイト・ライヴのスピンアウトかもしれませんが、あの映画のインパクトはやはり大きかった気がします。とにかくステキなカヴァーが満載でしたからね。

合わせて思ったわけですが、カヴァーする曲がズレて行くのかなということです。70年代に10年前20年前の曲をカヴァーして楽しんだわけですよね。80年代に20年前30年前の曲をカヴァーするのであれば、その時代の曲が優れていたというだけかもしれませんよね。80年代にも10年前20年前の曲をカヴァーして楽しめるということであれば、70年代前半、自分が子どもの頃に聴き親しんだ曲がカヴァーされる時期がくるのかという発想です。

確かにデフ・レパードが後々グラム・ロックの名曲をカヴァーしたり、グレイト・ホワイトがイアン・ハンターをカヴァーしたりしましたけどね。あまり多くはなかったような気がします。唯一面白いと思ったのが、ドクター&ザ・メディックスでした。彼らは80sグラムロックとか80sサイケなどと言われておりましたが、まずノーマン・グリーンバウムの「スピリット・イン・ザ・スカイ」が英国でナンバー・ワンになるヒットとなりました。その後もABBAの「恋のウォータールー」をカヴァーしたりしてくれましたから、個人的には「そうきたか!」とちょっと嬉しかったわけです。70年代にももっとカヴァーされてもおかしくない名曲がいっぱいあるはずなんですけどね。自分が知らないだけかもしれませんが、予想外に少ない気もします。

ちなみにこのバンドに関しては、2年ほど前にもグッド・カヴァーということで書いておりました。リンクを貼っておきます。…何気に好きなんですよね、こういう他のアーティストがやらないようなことをやる個性的な連中が。

怪人ロイ・ウッドがいますねぇ…。

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