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7インチ盤専門店雑記174「ニュー・ヨーク・ミニット」

ドン・ヘンリーの1989年のアルバム「The End Of The Innocence」に収録されていた「New York Minute」ですが、どうも気に入りません。イーグルス関連で好きな曲を考えたときに、比較的上位に出てくるかもしれない曲なんですけど、どうもオリジナルはダメなんです。重々しいイントロのキーボードの音が全然好きになれなくて、飛ばしたくなってしまいます。イントロの長さもダメです。1989年という時代で既に古臭く感じておりました。でもヴォーカルが始まってからはいいんですけどね。

この曲のパーソネル・クレジットは下記の通りとなっております。
Don Henley – lead vocals
Danny Kortchmar – keyboards, guitars
Jai Winding – keyboards
David Paich – acoustic piano, string arrangements
Pino Palladino – bass guitar
Jeff Porcaro – drums
Steve Madaio – trumpet solo
Take 6 – backing vocals

ドラムスはジェフ・ポーカロに任せているんですね。そして気に障るキーボードですが、3人もクレジットされているんです。この辺なんですかねぇ…。ちなみにピノ・パラディーノのフレットレスっぽいベースも嫌いではないのに、ここでは何だか好きになれません。…なんでやろ?

ま、そんなわけで、イーグルスの「ヘル・フリーゼズ・オーヴァー」のツアーのときにもこの曲はやっておりまして、ヘッダー写真の権利関係大丈夫か?と言いたくなる放送音源らしきスタジオ・ライヴにも収録されているんです。これ、1994年の録音らしいのですが、ここにも収録されておりましてね。これがまだましなんです。結局イントロはさほど変わりないのですが、ティモシー・B.シュミットのベースはピノよりシンプルでいいです。

結局全般的にイーグルス的なシンプルさがあって、オリジナルよりは好きな演奏だったりするのですが、やっぱり納得がいかない部分はあります。なぜアンプラグド時代にこういう曲をやっても、あの、イーグルスが、そう、あのイーグルスがなんでコテコテした演奏をしているんですかね?ドン・ヘンリーの趣味なんですかね?ちなみにこの曲の作者クレジットはドン・ヘンリーとダニー・コーチマーとジェイ・ウィンディングの3者共作になっているんですけどね。なにか忖度するような事情でもありましたかね?

この曲をジョー・ウォルシュがギター1本で弾き語り的にやってくれたら案外格好良かったんじゃないかなぁと思うことがあるんです。ジョー・ウォルシュの1992年の「オーディナリー・アヴェレージ・ガイ」というアルバムに「You Might Need Somebody」のカヴァーを収録しているんですけど、これが大好きでして、こういったスタイルでこの曲をやったら格好良かっただろうになぁと思うんです。

何だかせっかくの素材や人材が揃っているのに、プロデュースの方向性がちょいと違っていて、残念な仕上がりになっているように思えてならないんです。ちなみにオリジナルのプロデュースはドン・ヘンリーとダニー・コーチマーでして、いわゆるセルフ・プロデュースなんですね。プロデュースこそプロに任せるべきというヤツなんですかね?翻って、ビル・シムジクとかやっぱりセンスいいんでしょうね。あらためて凄いプロデューサーなのかなと思ってしまいました。


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