7インチ盤専門店雑記454「12インチ・シングルの愉悦:ブルース・スプリングスティーン」
今更にブルース・スプリングスティーンの「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」が好きという人間は見かけませんが、聴き過ぎましたかね。リリースされたときは「これは名盤だ!」と思い、ヘッダー写真の予備盤まで買っておきました。未開封です。結局今となっては全然聴かないわけですが、まあ名盤は名盤です。マイケル・ジャクソンの「スリラー」やビリー・ジョエルの「イノセント・マン」と並んで7曲のシングル・カットを生んだわけですから、やはり名盤でしょう。
そんな「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」の12インチ・シングルも時代の空気感に満ちた存在です。ラウドな鳴りを求められて然るべき音源です。簡単にご紹介しておきます。
Side1「Dancing In The Dark (Blaster Mix)」、Side2「Dancing In The Dark (Radio)」「Dancing In The Dark (Dub)」
80年代のブルース・スプリングスティーンはシングルのカップリング曲が全部未発表曲だったりするので、この日本盤はご本人の許諾が得られているのかあやしいわけですが、「ダンシング・イン・ザ・ダーク」の3パターンが収録されています。
SideA「Dancing In The Dark (Extended Remix)」、SideB「Pink Cadillac (Previously Unavailable)」
そんなわけで、同じタイトルでも日米で収録曲が違います。
Side1「Cover Me (Undercover Mix)」「Cover Me (Dub1)」、Side2「Cover Me (Radio)」「Cover Me (Dub2)」
こちらも同様に日本独自の選曲です。
SideA「Cover Me (Undercover Mix)」「Cover Me (Dub)」、SideB「Shut Out The Light (Previously Unavailable)」「Dancing In The Dark (Dub)」「Jersey Girl (Live 9/7/81)」
SideA「Born In The U.S.A. (The Freedom Mix)」、SideB「Born In The U.S.A. (Dub)」「Born In The U.S.A. (Radio)」
SideA「Rosalita (Taken from the LP "The Wild, The Innocent and The E Street Shuffle"」、SideB「Born In The U.S.A. (The Freedom MIx)」「Johnny Bye Bye (Previously Unavailable)」
SideA「Glory Days」「Stand On It (Previously Unavailable)」、SideB「Sherry Darling (Taken from "The River"」「Racing In The Street (Taken from "Darkness On The Edge Of Town"」
実はここまでの4枚の米国盤はボックスセットでもリリースされております。しかもおまけつきですから、…一応買っておきました。
おまけはポスターとこれ、英国ではリリースされなかった「I'm Goin' Down」の7インチ盤です。
「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」関連以外にもいっぱいあるようですが、とりわけこのライヴ盤からリリースされた「War」はカップリングの「Merry Christmas Baby」が評判だったりで、結構な玉数が出回っております。
これもライヴ音源ですが、次のアルバム「Tunnel Of Love」の曲が入っていたりします。こちらはレアだと思います。…これが現時点ではWikipediaにも載っておりません。
ついでにご紹介しておきますが、2014のRSDで突然12インチがリリースされました。全部未発表曲で、しかもB-1「Hurry Up Sundown」はドラムス以外マルチに自分自身でやっていたりして、それなりに面白い音源だったりします。
おまけで、10インチ盤も少々。1978年のライヴ音源ですが、Live From The Carousel, Asbury Park ということで、故郷でのライヴですな。
もう一枚、レア盤を。10インチ盤ですが、A面だけブルース・スプリングスティーンです。2005年のライヴ音源ですが、オークション相場などがもの凄いことになっている盤です。SideBはSuicide とBeat The Devil ということで、よく分かりません。
素材としても12インチ・シングル向きでしょうから、いっぱい作られたようですが、コレクションしているマニアもいらっしゃいますかねぇ…。如何せん、元気なときでないと聴けません。80sの空気感という点では文句なしです。