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SDGs、もっと遊ぼう。

世の中みんなSDGsいうとりますけども、昔から地域貢献、市民活動、コミュニティビジネス、CSR、CSV、NPO、ソーシャルビジネスなんかに関わってきているなら、特に何かが変わったというわけじゃないんですよ。

今まで社会参画に関わってきた人にとっては「当たり前」のことなのに、なぜか新しい概念であるかのようにSDGsという言葉が連呼されていることには少し違和感を覚えています。

むしろ、これまで地域社会の中で必要にせまられてやってきたり、みんなを楽しませるためにやってきたような様々な活動に対して、やっとこういう世界的な指標ができたよ、というだけのことなんです。

世界的な指標になったということは、そこに国や自治体が予算をつけてくれるし、活動が認められやすくなるし、また応援もしてもらいやすい、ということだと思いますが、しかし実際、本当に社会に必要な活動が支援されるんでしょうか?

NPO活動やコミュニティビジネスは神戸では非常に活発化しました。
それは阪神大震災をきっかけにして、たちゆかなくなった行政機能や、セーフティネット、まちの復興を市民が自発的につくり運営することで、無数のNPO団体が立ち上がったためです。それらの公益的な活動に法人格を与えるための「NPO法」施行にいたるまでに至る大きなきっかけが神戸にはあります。

神戸にいると本当にたくさんのNPO活動を目にすることができますし、公益的な支点を持った人も多いと感じます。

しかし「NPO法人」というと国の補助金を不正に使い込んだり、何をしているのかわからなくて怪しいなど、報道のせいもあって、悪いイメージを持たれる方も多いです。

「NPO法」では法人化する際にその目的を定めなくてはいけません。さだめるといっても、次の中から当てはまるものを選ぶのですが、

1.保健、医療又は福祉の増進を図る活動
2.社会教育の推進を図る活動
3.まちづくりの推進を図る活動
4.観光の振興を図る活動
5.農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
6.学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
7.環境の保全を図る活動
8.災害救援活動
9.地域安全活動
10.人権の擁護又は平和の推進を図る活動
11.国際協力の活動
12.男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
13.子どもの健全育成を図る活動
14.情報化社会の発展を図る活動
15.科学技術の振興を図る活動
16.経済活動の活性化を図る活動
17.職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
18.消費者の保護を図る活動
19.前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
20.前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動

このように、公益性といっても、うまく解釈さえすれば、ここに当てはまらない活動はほぼないんじゃないかと思えます。
そこに国や自治体がさまざまな補助金を出すのですから、それをうまく利用すれば広告代理業やコンサルティング業は儲けることができます。

しかしながら僕自身それが、悪いことかと言われるとわかりません。
そういった「制度をうまく活用することで経済活動にも寄与している」とも考えられるからです。
経済活動に対して感覚の疎いNPOだけでは、税金から出た予算をただ食い潰すという可能性も高いのです。

するとSDGsに対しても、これと同じようなことが、より大きな規模で起きるかなぁと予想してしまうのです。
そして、その結果、本当に必要なお金が必要な活動に届き、それを応援しようというような啓発活動が人々になされるのだろうかと。
そして自分たちも活動を立ち上げてみようとか加わろうとか、指標を意識した生活をする一般の人がどれくらいいるのだろうか。

たくさんのNPOに関わっている中で、正直なところ、一般の人には届かないと、はっきりとわかります。
今までどおりのやり方を繰り返しても本当に必要な人には届きません。

本当に必要な人、とはだれか?

僕は思います。NPO法やSDGsのような公的な指標に沿って、かつ目的意識をもって社会参画を考えていくことは大切です。
でもそれは、いつまでたっても教科書にのった問題のようなもので、そんなものは、真面目で教科書をちゃんと読むような意識の高い人しかやらないんです。

「だからそういう人を増やしていくんだ」というのもわかるんですけど、「真面目な人、意識の高い人」というのは今までだってずっとこういう活動をしてきた人でしょうし、これからも一定数必ずいます。
絶えることはないけれど、爆発的に増えたことなどありません。

だからいくら呼び掛けてもそれは、意識の高い人が意識の高い人を呼んでくるだけの、いたって普通の社会参画のルーチンになってしまうんですよ。
「今までどおり」が見栄え良くアップデートしているだけのように思います。

そうではなくて、貢献なんて全く興味ないし、胡散臭いんじゃないか、なんだか鬱陶しいなって思ってる人たちが、アレなんかおもしろそうやから行ってみん?といって集まってくる、ハマっちゃって知らないうちに社会参加してるっていう、そのようなことをやらないと、世の中は良くはならないでしょう。

だから、そのためには、SDGsを語る人こそが、もっとふざけてバカバカしくて、どうしようもなくしょうもないことを一生懸命にやるのがいいのだと思います。

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