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足が痺れてモヤモヤ?ムニャムニャ?

上の子が4歳のころ、
抱っこで散歩中にこんな事を言い出した。

子「なんか…足がモヤモヤする…」

父「えっ、なにどの辺やこの辺か?」

子「あああ〜モヤモヤする〜」

父「それ足しびれとんやわ」

そして、つい先日
下の子4歳をだっこで散歩中にこう言い出した。

子「なんか…足がムニャムニャする…」

父「それ足しびれとんやわ」


あれ、これデジャブかな?と
一瞬思ったけど、すぐになんのことかわかった。

同じくらいの歳に同じことを言い出して
そして二人とも、自分のしっている
言葉ではじめての感覚を表現した。

こどもは、それが正解か不正解か
ということにはこだわらず
自分の知っているもっとも
当てはまる語彙で伝える。

それはまちがいじゃないから、
まちがえてる、というのはよくない。

足がジンジンする感じかな。
足が痺れたんだね、と伝える。

こどもは、その時点で知っている語彙とその使い方の範囲で、いろんな物事を表現する。
結構むりやり表現するから面白い。
大人が知っている当たり前のルールを簡単に壊してくるので、可笑しかったり、想像できなくてこまったりする。

こうやって考えていると「こどもの自由度はどうやってうまれているか」ということがわかってくる。

大人はついそれは「まちがい」と捉えるけれど、
僕はこの、こどものフリーダムな言語感覚が、
発想力やアイデア、創造する力の根源だと思い
それを企画やデザインのお手本にしたり、
アイデアを出すための教材にしている。

例えばこの「もやもや」「ムニャムニャ」
くどくど説明すると、すごく不粋になってしまうのだけれど、こんな考察と発見があります。

上の子の使った「モヤモヤ」とは、「靄」そのものや「靄がかかっているように」視界が不明瞭な状態をあらわす擬態語です。
また頭の中の整理がつかないことなど、目で見えてなくても「不明瞭で気持ちが悪い状態」をさすことも「モヤモヤ」といいます。
大人であればジンジンするといった語彙を選ぶところですが、4歳の時点で知っている語彙で初めて感じた足の痺れをあらわすのに一番近かったのが、モヤモヤだったわけです。

一方で、下の子は同じ状況で「ムニャムニャ」といいます。
本来は眠たい時に使う擬音をつかっています。ムニャムニャは、あかちゃんや幼児が寝る直前に口を動かしてでる音や、寝言として出ている音をあらわした擬声語です。
しかし眠たい意味で使ったのではなく、ムニャムニャということばの「音」「語感」を活用して足の痺れの擬態語として表現したことになります。

4歳の子がはじめて足の痺れを表現した、という出来事の中に
上の子は「モヤモヤ」の抽象的な概念を転用していて、下の子はムニャムニャの語感だけを活用して表現した、という違いがあります。

大人はそんなに簡単には慣れきったルールをこわせません。
でも、こうやって観察すると「こわしかた」がわかってきます。それに習ってみることで、大人もやってみることができるようになるので、とても面白いのです。


「なんか…足が〇〇する…」

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