モロッコ強烈旅 マラケシュ編 ①
将来ボケたとしても、モロッコ旅行のことは絶対に忘れないと思う。
CA時代、弟みたいに可愛がっていたお友達と、たまたま4連休くらいのお休みがまるっとかぶったことがあった。
どっかいこっか!という話になり、
「モロッコどうですか?」「いいよー!」
くらいのノリで決めた(決めてしまった)私たち。
モロッコで寝泊まりできる場所といえばホテルの他にも、リヤドと呼ばれる宿泊施設がたくさんある。
古い邸宅を改装していて、庭園とか中庭の周りを囲うような形で建てられている。伝統的な建築形態のゲストハウスのようなところ。
せっかく行くならリヤド一択!という感じで、ホテルには目もくれなかった私たち。
可愛さだけでリヤドを探し、宿を選んだ。これが、後に事件を引き起こす選択となる。
この旅の最初の目的地はマラケシュ。
カサブランカにてプロペラ機に乗り換え、マラケシュへ。
空港からはタクシーで、宿泊先のリヤドへ向かう。
観光地っぽい場所からどんどん離れていくタクシー。良く言えば、増していくローカル感。言うてしまえば、見るからに終わっていく治安。
それでもリヤドの目の前で降ろしてもらえるものとばかり思っていたら、道が細すぎてこれ以上は行けないと、訳のわからん道で降ろされてしまった。
降りた途端に囲まれた。
人をすぐに判断するのは良くない。
でも、これは見たら分かるやつ。完全にカモなアジア人来たと思われてる。
道も分かるし大丈夫やから!!と言いながら(もちろん1ミリもわかってない) 足早に歩く。
が、一生この景色。迷路すぎる。リヤドない。
逃げる私たち、クソでかボイスでひっきりなしに話しかけ続けてくる人たち。
もういいから、って言い続けても、誘拐されるんかな?と思うレベルに一生囲まれている。
どうにかリヤドに着くまでに撒きたい。ここにカモアジア人泊まってるぞって特定されたくない。
そんな私の願いとは裏腹に、どこまでもついてくる。距離感もバグってる。
もういい!話しかけんといてぇぇぇ!!!
って日本語で叫び散らかしながら迷路をひたすら逃げ続けた。
まだ宿にも着いていない序盤の序盤で、ヒステリック女爆誕。
ようやく見つけたリヤド。逃げ込む。
入り口の門を閉めたら外の喧騒は一切遮断できるような空間だった。
ああ、もうここから出たくない。
まだ1ミリも観光してないけど。
わざわざアフリカ大陸まで来ておいて引きこもるわけにもいかないので、腹をくくって外へ出た。
栄えている場所までの道が、まあまあハード。
「女子旅★モロッコで映える景色と雑貨巡り」
みたいな本とかいっぱい出てるやん。
そんな感じのノリで来ちゃってるのよこっちは。
おもてたんと違う、という文句を垂らしながらなんとか中心地に到着。
雑貨は本当に可愛い。でもまず、ご飯。
どこで食べようかなと歩いてたら、ロマンティックプレイス!!!と声をかけてくる客引き。見てみたら、ボロッボロのイスが外に置かれてるだけみたいなレストラン。
モロッコ的ロマンティックプレイスは素通りし、タジン鍋にありつく。
おいしかった。染みた。
心身ともに疲れていたのでとっても染みた。
さあ喧騒から逃れてリヤドへ戻ろう。
リヤドに近づくにつれて大通りからどんどん離れて、再び迷路へ突入。
はあ、宿の場所ってなんて大事なんだろうとつくづく思う。
夜の迷路で地元の子ども達が遊んでいた。火で。
木の枝みたいなのに火をつけて、振り回して遊んでいる。
子どもが火で遊ぶのが普通なんか... とか、教育がしっかり受けられるのって大事やな...とか、ちょっと複雑な気持ちで通り過ぎようとしら、
その火、投げられた。
火がつけられた木の枝を、私たちは容赦なくぶん投げられた。
そんなことある? なに時代?
ここから先の記憶、ちょっとない。
燃やされてないからきっと全力で逃げたんやろうけど、どうやってリヤドまで戻ったとか覚えてない。
迷路で誘拐未遂からの、火を投げられるという生涯忘れられない経験で幕を閉じたモロッコ旅行初日。
ほんでこの日、私の誕生日。
とんでもないバースデーサプライズでした。
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