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蚊はほんまに舐めたらあかん

蚊はこわいよ、っていうお話をいくつか。

まずCA時代、タイのプーケット線に乗務した時。

フライト後には大好きなタイ料理を食べて、ローカルビールを飲んでがっつり寝て、


翌朝は早起きしてまだ誰もいないプールで泳いで、海沿いを散歩して、ハンモックでうたた寝。

ホテルの目の前にあるビーチ

朝も昼も夜も訳がわからないような生活の中、ちゃんと朝起きてゆっくり過ごせるのがこの時はすごく贅沢だった。


お腹も気持ちも満たされて、帰りのエンドレス飲み放題フライトも耐えて中東へ戻ってきた。

数日後、発熱。嘔吐。頭痛。

最初は周りの反対を押し切って食べた生牡蠣が当たったのかと思ったけど、

(こいつ何回周りの忠告無視して生牡蠣食べんねん、と思ったそこのあなた。他にも私の記事読んでくれてありがとう。笑)

当たってたらもっとすぐに吐き散らかしているはず。

そして上の症状に加えて特徴的だったのが、関節の痛み。体の節々が痛いのに加えて、指の関節まで痛い。指動かすだけでしんどい。

なにかがおかしい。調べてみる。

デング熱、というワードがでてきた。

「発熱、関節痛、筋肉痛、頭痛、嘔吐、倦怠感、出血傾向、解熱した頃に発疹...」

かなり当てはまっている。


デング熱は蚊から感染するのだが、プーケットで蚊にはそれなりに刺されていた。

ルームメイトはフライトで不在。
起きあがって病院へ行く気力もないほどの体調不良。

よく分からない国で、ああわたしはきっとデング熱、と思いながら死んでいくのは嫌すぎる。
とりあえず遠く離れた日本に住んでいる母にLINEをした。

夜中の3時に異国に住んでる娘から私デング熱って報告されるこっちの身にもなれって未だに言われる。

苦しむこと数時間、今度は両鼻からティッシュ1箱使い切るくらいの鼻血。

ああ。デング熱や。

熱がひと通り上がり、下がってきたころに、腰のあたりに謎の湿疹。

もうどれもこれもデング熱や。

結局私は1人でのたうちまわり、鼻血も撒き散らしたがその後は無事に回復した。

よってデング熱 (自己判断) なのだが、絶対あれはそうだったと思っている。蚊、こわい。

蚊に噛まれて発熱した時は、必ず病院に行ってください。


次にタンザニアのダルエスサラームという都市へフライトで行った時。

どこやねん、と思い飛ぶ前にちょっと検索してみたら、

アフリカ三大凶悪都市
凶悪犯罪多発
タクシー強盗多発

... 調べるのやめた。

この時は街をふらふらしたりはしなかったため、結果として危ない思いをする場面にはほぼ出くわさなかった。

が、蚊。ここでも蚊は強かった。

この時のフライトは友達と一緒だったので、ホテル内のテラスで一緒に地元料理を食べてローカルビールを飲んで遅くまで話していた。

店員さんのおすすめの魚料理。名前忘れた。
写真で見たら全然おいしくなさそう。おいしかったよ。


アフリカの蚊なんて絶対にやばいと思い、私はしっかり虫除けスプレーを持参していた。顔面にもお構いなしに振りまくった。一緒にご飯を食べた彼にも、頼まれていないのにおばはんのように押し付けて使わせた。

そんなにスプレー振ったのに。
奴は私が唯一見落としといたスキニージーンズとスニーカーの2cmくらいの隙間を狙いやがった。

結果として、病気はもらってない。

でも吐くほど痒かった。タンザニアの蚊、最強。


私の勤務していた航空会社では、CAはフライト毎に働くポジションが変わる。客室責任者がフライト前に各クルーのポジションを決めるのだが、この蚊にやられた後のフライトで私は初めて客室責任者に自分のポジションのリクエストをした。

ジャンプシート(離着陸前にCAが使用する座席)がお客さまから見えないポジションにしてほしい。

とにかく痒すぎる。着席なんかしてじっとしてしまったら、私は目の前にお客さんがいようと足ちぎれるくらい掻く。座っている間はお客さんの前から消えたい。

責任者は笑いながら了承してくれて (こっちはマジで何も笑えないくらい真剣) 気が狂ったように足を掻いているところは無事お客さまに見られずに済んだ。

ちなみに一緒にご飯を食べた彼は無事だった。それどころか苦しんでいる隣で私の二の腕をつまみ、ストレス解消されるぅ〜と言っていた。しばく。

あんたが刺されてへんのは私のDNAに刻まれている大阪のおばちゃん押し付け魂のおかげや。わろてる場合ちゃうねん感謝せえ。



最後に、つい最近の話。

同時期にCAとして中東で働いており、すごく仲良くしていた当時の後輩 (そのまま現役でCAを続けており、今や後輩なんて言えない貫禄ガール) が休暇を取って日本へ帰国していたので、久しぶりに会うことに。

大阪まで会いに来てくれた彼女。せっかくなので有名なたこ焼き屋さんへ。

美味しい〜!と楽しく食べていたら、

私ね、この間マラリアに罹ったんですよ〜
それでね〜

と話しだす貫禄女。

こないだめっちゃ雨降ったやんか〜
くらいのノリ。テンション大間違い。

そのまま平然と話し続ける彼女。

周りでたこ焼き食べてるお客さん達、とんでもない顔であんたのこと見てるで。

潜伏期間が1週間以上あるみたいで〜多分ラゴスかアディスアベバで貰ってきたんですけど〜

やないねん。

そんなわっけわからん地名出すな。

おばちゃん、どえらい顔してる。


彼女はすぐに然るべき処置を受けることが出来て無事回復したらしいのだが、やっぱり蚊はこわい。

ほんまに奴らは舐めたらあかんと、数年越しに再確認した。


あのたこ焼き屋におったおばちゃん、きっと恐怖に煽られたままやで。

でかい声で、もう大丈夫でーす!くらい言い残しといたほうが絶対よかったと思う。

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