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掃き溜めに醜いアヒルの子

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いつかきっと白鳥になることなんてない、アヒルの子のはなし。
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#太宰治

「汚い女」と太宰治の自意識

以下の文章はわたしが18歳の頃、大学の基礎ゼミでレポートの練習として書いたものです。拙いながらも、当時のまだ希望に溢れている感じが青臭くてなんだか人に読んでもらいたくなりnoteに載せました。2020.5.6.追記

 太宰の特徴的な作風に「女性独白体」というのが挙げられることは周知の事実であるが、『皮膚と心』もまた女性の一人語りの形式で書かれている。
 主人公の「私」は二十八歳の主婦である。つい

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