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良い文章ってなに? ーココロとカタチとコトバの関係-

良い文章とは、いったいなんなのか……

今日は、元シナリオライターのやなぎまちが、仕事で悪戦苦闘することになった「良い文章とは?問題」について、少し実務を離れたところから考えてみたいなと思います。

「良い文章とはなにか」を考えるにあたり、評価基準をどこに定めるか、という問題があります。

文章には評価基準があり、その基準に則って、みんな「これは良い文章だ」とか「これは悪い文章だ」とか言ったりします。

ポイントは「評価基準が2つある」ことです。

その2つの判断基準が互いに補完しあってくれればいいのですが、あいにくその2つの基準が喧嘩しがちです。そこに、良い文章とはなにか?と頭を悩ませてくる原因がある気がします。

その2つの判断基準とは一体何か、簡単に見ていきましょう。

評価基準①:ココロの基準

まず一つ目は、ココロの基準と名付けてみました。
これは昔から学校教育とかで、よく使われている基準です。
「名文と呼ばれるものを読んで、心を豊かにしよう」という感じの方向性です。
ココロの基準の考え方は、以下の通りです。

・豊かな言語表現を身につける
・豊かな言語表現を身につけるためには、「豊かな考え」を持っている必要がある
・豊かな考えを手に入れるためには、「豊かな心」が必要だになる
・豊かな心を手に入れることができれば、良い文章をが書けるようになる。

おおよそこのような考え方に基づいて、ココロの基準が作られています。
ココロの基準で文章が判断される際は、「エモい」か「エモくない」かが問われます。つまりそれは、読んだ側の心にインパクトを残せるか否か、という問題です。
読者が感動する、それが至上命題となり、その他のことは、二の次、という考え方です。

一方の判断基準はどんなものでしょうか。

判断基準②:カタチの判断基準

次の判断基準は、論文指導などで引き合いに出される判断基準です。
「こころ」主観的で外から見えないし扱いずらい。
それに対して「カタチ」は客観的で技術の問題として扱うことができます。
だから文章の技術を目に見える形で明確に示そうよ。そっちの方がいいよくない?という方向性です。

カタチの基準の考え方は、文章作成で気を付けるべきいくつかのポイントを示し、それをクリアすれば、誰でも良い文章が書ける、という感じです。
カタチの判断基準は、論理的であることが求められます。
結論は初めに書きましょう、とか、1つのパラグラフには1つの主題だけを扱いましょうとか……
つまりはそうしたお約束を守ることによって、相手に伝わりやすい=良い文章、が書ける。そういう考え方です。

カタチばかりが整っていても、中身がない文章はつまらないです。
ココロばかり詰め込んでいても、伝わらなければ意味がありません。

文章作成をするときに発生する問題は、主にこの2つがうまく揃ってくれないときに起こります。
そして、問題を解決するための「まと」が絞れないとき、現場には混乱が生じます。そのときに表面化して現れるひとつの問いが、良い文章とはなにか?であると考えられます。

では、「良い文章とは?問題」を解決するためには、というより、「良い文章とは?問題」が起こらないようにするには、どうしたらいいでしょうか。
ポイントは、問題解決までの道筋を整理してあげること、だと筆者は考えています。

ここで起こっているのは、煎じ詰めれば<自分の「考えていること」を「ことば」にして自分以外の他者に「どのように伝えるか」という問題です。>

解きほぐしていくと、

・「自分の考えていること」を明確にする=コンセプトをハッキリさせる
・「ことば」にする=カタチの整った文章をつくる
この2つがクリアできているかどうかが問題なわけです。

2つのポイントを常に意識しながら文章を書くことによって、文章は良くなっていく(=伝わりやすくなっていく)と考えられます。

文章をする上でのコツは、「ひとつの文章の中に、2つのレイヤーがあると仮定する」ことです。

①は「コンセプトのレイヤー」

このレイヤーは中身、エモさ、伝えたいこと、を見定めます。
これが明確になっているかどうかを意識しましょう。正直この部分については、文章を書く本人が頑張るしかないです。人生の中でどんなことを感じ、その感情をコンセプトにするしかないからです。周りの人とブレストしたりすることも時には有効です。ヒントももらえたら、それが問題の突破口になるかもしれません。

②は「デザインのレイヤー」

ここでは文章として、コンセプトが相手に伝わるかどうかを確認します。
デザインのレイヤーに関しては、チェックポイントを作って<文章を作った人>と<文章を判断する人>で一緒にチェックポイントをクリアできているかを確認していくのが、手間はかかるけど結果的にコトがスムーズに運ぶのででいいとおもいます。

僕がいまなぜこんなことを書いているかというと、制作現場の混乱に疲れ果てたからです。自分のいた現場を否定するつもりはありません。疲れてしまったのは、ひとえに僕の個人的な能力不足が原因です。

それは単純に才能がなかっただけ、ということもありますが、現場のシステムを整備することで、自分の才能を補い、問題を解決することが可能だったと最近思うようになりました。

(現場で起こる問題は沢山あります。例えば、シナリオを改善するためにミーティングを行うが、良いシナリオに対する見解がバラバラでまとまらず、数時間費やした結果、ついになんの結果も得られなかった……など)

なので、僕みたいに仕事に疲れ果てたシナリオライターの人がもしいたら、あるいは、現場でシナリオライター達を活躍させたいと思っている方がいたら、参考になる情報を提供できるのではないか?と思って、文章を書いている次第です。

この記事は前後編に分けて、今回の内容を前編として、次回は良い文章を書くための具体的な方法について考えてみたいと思います。

気になった方はフォローしていただけると嬉しいです。

それでは。

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