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新しい未来

1年前の今日、水沢秋生さんの小説「ミライヲウム」を読んだ。

好きな人と一緒にいることへの覚悟と幸せ、家族となりつながっていく命の話。ネタバレになるので詳細は書かないが、すてきな物語だった。

読み終わったあと、僕は妻と出会えて結婚してよかったなと思った。それから、子どもほしいな、と思った。

結婚当初から子どもほしいねと妻と話していた。昔は自分の子どもなんて想像もできなかったが、結婚すると決めてから、妻との子どもならほしいなと思えるようになった。一方で、ネット上には育児がどれほど大変かを切々と訴え嘆く声が氾濫していて(そのように僕には見えた)、子どもを育てるとはとてもオソロシイことだと怯えてもいた。また、望んでいても実際に子どもができるかわからなかった。

しかし、この物語を読み終わったあと、そういう現実の話は置いておいて子どもほしいな、と素直に思えた。

そして、その翌週、妊娠がわかった。ああ、読むべきタイミングだったんだなと思った。

あれから1年。今年の春にその子どもが無事に生まれ、日々驚くほど成長している。

退院当日から問答無用で始まったドタバタ生活は、想像していなかったほどしんどいときもあるし、自分の未熟さにうろたえることもある。けれど、最近話しかけるとよく笑ってくれて、その笑顔は想像以上に幸せな気持ちにさせてくれる。

この子はどんな人生を歩くんだろう。どんな人たちと出会い、どんなことに夢中になり、どんな人を好きになるんだろう。

妻とこの子と3人で新しい家族を、新しい未来を作っていく。

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