Masanori Saito

元・大学教員。土壌微生物学、土壌肥料学、農業環境学など。特に、菌根。趣味でクラリネット…

Masanori Saito

元・大学教員。土壌微生物学、土壌肥料学、農業環境学など。特に、菌根。趣味でクラリネットを、アマチュアオーケストラで吹いています。

最近の記事

ブラームスの髭

ブラームスの髭: 2年半ぶりの演奏会 2022年8月7日、2年半ぶりに私の所属するアマチュアオーケストラの演奏会を開催することができた。 プログラム: ベルディ・「ナブッコ」序曲、  ベートーヴェン・ピアノ協奏曲第4番 ブラームス・交響曲第2番、  ピアノ 小井土文哉、指揮 河原哲也  https://twitter。com/iwate_classic/status/1556947742185795584 2020年春以来のコロナウィルスの感染拡大により,私たちの活動も大

    • 本の紹介「土のない世界:私たちの足下の大地の過去、現在、そして不確実な未来」A World Without Soil: The Past, Present, and Precarious Future of the Earth Beneath Our Feet

      Jo Handelsman著 Yale Univ. Press (2021) Nature誌の書評(https://doi.org/10.1038/d41586-022-00158-8)を北大のH先生がSNSで紹介されていたので、思わずにアマゾンからポチった。面白く、勉強になったので、内容を紹介したい。 著者のHandelsmanは、ウィスコンシン大学マディソン校の微生物学の教授で、微生物生態学の分野ではメタゲノム研究のパイオニアとして知られている。土壌DNAから、抗生物質

      • 追悼:小川眞さん、ありがとうございました

        昨年夏、菌根ときのこ、そして、炭(バイオ炭)の分野で知らぬ人の小川眞博士が亡くなられた。私も大変お世話になった。昨年(2021年)の菌根研究会大会の講演要旨集に追悼文を書かせていただいたので、ここに転載する。菌根研究会の要旨集がアップされたら、重複するので削除するつもりです。 小川さんの「菌を通して森をみる」は、学生時代に読んだ本の中でももっとも印象に残った本の一冊であった。実際にお会いするのは、1983年秋。東北農業試験場(当時)の駆け出しの研究員であった私は、つくばの林

        • ブラームス交響曲2番にもあったクララコード

          私は、岩手県民オーケストラというアマチュアオーケストラでクラリネットを吹いている。 https://www.facebook.com/IwateKenminOrchestra 来年2月の定期演奏会に向けて、ブラームスの交響曲2番を練習している。先日は、木管セクションの練習を 日比野先生(元・仙台フィル・首席クラリネット奏者、現。宮城教育大教授)にみていただいた。この練習は、とても楽しく、たくさんの貴重なご指摘と気づきがあって大変勉強になった。その中のひとつのトピックを紹介す

        ブラームスの髭

        • 本の紹介「土のない世界:私たちの足下の大地の過去、現在、そして不確実な未来」A World Without Soil: The Past, Present, and Precarious Future of the Earth Beneath Our Feet

        • 追悼:小川眞さん、ありがとうございました

        • ブラームス交響曲2番にもあったクララコード

          三閉伊一揆指導者・三浦命助「獄中記」にみる栽培管理技術

          私が三閉伊一揆のことを初めて知ったのは、1980年代の前半、盛岡の東北農業試験場(現在の東北農業研究センター)に勤務していた頃であった。当時、秋田のわらび座の民俗研究所の研究員であった茶谷十六氏の話をお聞きした時である。たぶん、日本科学者会議・岩手支部のセミナーか何かだったような気がする。 それ以来、「こ○」の旗を掲げた一揆のことが気になっていたが、その後、特に勉強することはなかった。思い出すきっかけは、たまたま書店の郷土出版コーナーでみかけた「南部百姓命助の生涯 幕末一揆

          三閉伊一揆指導者・三浦命助「獄中記」にみる栽培管理技術

          みどりの食料システム戦略 パブコメ

          「みどりの食料システム戦略」は、農林水産省が食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションを実現するために、2021年5月12日に策定したものである。策定前の原案に対して、パブリックコメントの募集があり、以下は、その際に提出した私のコメントである。提出されたパブコメの大半(約1万6千通)は、ゲノム編集技術・遺伝子組換え技術に対する危惧の念を述べたものであったらしい。私は、専門とする土壌肥料学・土壌環境学の視点からコメントを述べた。特に、後半の用語の問題は、慎重に扱

          みどりの食料システム戦略 パブコメ