活字中毒者の独白
私は根っからのインドア派だ。
休日もあまり外出はせず、たまに近所のカフェに行くぐらいで、ほとんどは自宅で過ごしている。
静かな部屋。
ミニテーブル一つ。
好物な飲み物とお菓子。
そして本一冊。
これだけで、時間が飛ぶように過ぎていく。
私にとっての「これぞ休日」な環境だ。
本は「隠れ家」に似ている。
ごちゃごちゃした現実から一時的に距離を置き、様々な物語の世界で気持ちの調整を行う。
読書に没頭することで脳が落ち着き、冷静になれる。
手に取った本に悩みや心配事を解決する答えが潜んでいることもある。
私にとって、本は決して無くてはならない、大切なものなのだ。
読書は休日に限らない。
自由時間さえあれば、いつでも絶好の読書タイムだ。
例えば電車の移動時間。
会社の昼休み。
寝る前の数十分の時間でさえも、本を取り出しては読みふけられる。
そのせいか、厚みがそこそこの本だと3日ぐらいで読み終えてしまう。
それ故本のストックが随時不足しているので、いつしか私はトートバッグを持って図書館に行くようになった。
借りれる最大限の冊数ーー
10冊をまとめて借りて、
トートバッグに入れて背負って帰る為に。
こんな調子で、気が付けば年間平均100冊は読んでいた。
一時、私は他のことがおろそかになる程読書に没頭していた時期があった。
これを知った先輩に「お前の知識量はもう十分だ、それよりもっと大事なことをしろ」と言われ、「読書禁」指令を受けてしまった。
あれから読書を我慢せざるを得ない日々が始まったが、長くは続かず、私は数ヶ月後、再び本を手に取るようになった。
「禁断症状」が出てしまったからだ。
電車で本を読んでいる人を見ると、羨ましくてしょうがなかった。
ちょっとした休憩時間をとっていても、「このコーヒーに、おやつにぴったりの一冊が欲しい」と思うようになった。
休日はつまらなくて仕方がなかった。
書店を目にする度に、切ない気持ちがこみあがった。
私にはやっぱり読書が必要だ!
そう思い、先輩に内緒で読書を再開した。
ただ以前と違って、読書量は随分と減った。
日頃の仕事や家事に支障が起きないよう、それに気を付けて読書時間をコントロールすることになったのだ。
休日も「午前中は〇〇をやる!読書は午後から!」とバランス良く時間を配分するようになった。
だが、今でも時々ふと思うことがある。
「丸一ヶ月、読書だけして過ごす生活をしてみたい」、と。
(はてなブログ同時掲載:https://www.gifteddecoboko.com/entry/2019/11/07/080000)
(画像素材元:https://pixabay.com/ja/)
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