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3人育てながら働くとどうなるか(育児と共働き【4】)

ここまで3人の子のそれぞれの状況と、家庭内役割分担、仕事との両立について書いてみた。色々発生するが、全てが同時に発生するわけでもなく、なんとかなるものである。

今回キャリアとのトレードオフの観点で書いてみたいが、その前に仕事と家庭の間の時間的な調整をもう少しだけ書きたい。

子供の行事も一部カット

子供の行事もすべてに対応することは難しく、保護者会はよく欠席している。保護者会は年に3回ほどあるが、子供が3人だと3×3=9で多いのだ。

後日資料も配付されるし、年長や最終学年、また長男の場合は常に最初だからという事で参加するに留まっている。

これで肩身の狭い思いをしたことがないかといえば噓になり、もう随分と前だが次男が保育園児の時に、保護者会に来ないことを担任の先生からチクリと言われたことがあった。しかし、基本的には先生方と直接お会いする際に、ネガティブな印象になっていると感じたことはない。

子供の行事の役割分担

学校行事や病院関係のスケジュール管理等々は、私が主にやっていて、夫は保護者会の日程等は把握していない。保護者「面談」や参観日、運動会は必ず私から共有したりリマインドしている。

予防接種についても、私が主体的にやっている。3人全員に予定通り打たせることに使命感も感じているため抜け漏れなくやりたい。住んでいる地域によっては任意接種のものだと、自分から接種票を取り寄せないと打つ機会を逃してしまうものもあるため、自治体のHPを時々確認して打てる物は全部打たせている。先日は任意の男子のHPVワクチンを長男の同意も得て早速打ってきた。

母子手帳を見るとワクチンの接種記録がびっしりと記入してあるが、これを見る度に誇らしい。

なお、夫はこういった管理も必要とあらばやる。私が第三子の長女を妊娠中、悪阻で長期間寝込んでいた時は、丁度学年の変わり目だったのだが、体操服の名前付けから、行事から、全て上手く回していた。また、この春から長男が中学生になった際には手続きや説明会参加は夫が主体的にやった。さらに普段から家事育児送り迎え含め率先してやっている。

トレードオフ

トレードオフについて、①ワークライフバランス(時間)、②キャリアアップ(所得or肩書/仕事上の責任)に大別し、①と②の間にトレードオフがあるかについて、我が家の場合を書いてみる。

まず、私の中で①については明確に理想があり、①の中でトレードオフが発生することは避けたい。その結果②についてはトレードオフが発生しないに越したことはないが、発生したとしても損失とは感じにくく、①が立ち行かなくなる方が損失と感じる。

②は正当に評価されているか、それに応じた所得の増加があるかは重視するが、地位や出世には関心が薄く、出世を意識して残業も頑張るということは出来ないタイプだ。仕事上必要な場合にするのみである。

夫は①も②も犠牲にしない生活を望んでいると思うが、同じ①でも夫と私のそれは別々の形をとっている。①の時間も隙間時間を見つけては仕事をしたり、子供が寝た後・起きる前の時間を活用することもある。夫は裁量労働制の元で働いていると思われるが、定時出社と退社を原則徹底していて、家族に支障のない時間帯に追加で在宅にて働いている感じだ。

夫の②は、結果で評価が決まるという意味では②を強く意識した働き方をしているが、キャリアアップの意味するところは地位やポジションとはならない。一般的には新卒で入社するとそのうち肩書が変わってマネジメントに携わるようになることをキャリアアップとすることが多いのではないかと思うが。

夫の場合、裁量ある働き方で、おそらく管理職相当なのだが、管理業務は発生せず、またランク的なものも肩書きを見てもわからない。単に年収だけが成果に応じて変化する。

社内にヒエラルキーが殆どないことも関係していると思う。そんな中で外向けの呼称を変化させてどうするのかという話だと思う。上司はいるのだが、あとの社員はそれぞれ独立している感じのようだ。以前NHKのコント番組で以下面白かったのだが、こういった地位を意識する場面は少ないと思われる。

以下より

ということで、夫の場合、トレードオフを測る尺度が年収しかなく、①にも②にも満足しているため、トレードオフは発生していない。人から見てもそうなると思う。

私の場合は②の階層が何十段もあり、呼称も階が上がると長くなる傾向にある。固定給はここが上がらないと上がらないが、変動のBは相対評価した後の調整を兼ねるため、階層が上の人より下の人が多くもらい、つまりその年の総報酬にすると逆転もあり得る。

これは、過去には残業代で稼ぐという概念もあったが、結果が伴わないとB側で調整されることも意味している。

さて、トレードオフについて、これまで私自身は同僚との関係を維持してWLBもそこそこ理想の形でやれていたのだが、上司が変わったことでトレードオフを感じることとなった。

新しい上司はもともと先輩同僚で、ただ仕事は殆ど被っていなかった。私が女性・既婚・子持ちなら、その人は真逆の属性を持つ。以前も飲み会で、「〇(←私)は定時で帰るからな~」と言われたことがあり、それがどうしたと思っていたのだが、上司になった後、「定時退社は全然かまわないけど、昇格とはトレードオフになることだけは覚悟しておいて」と言われた。

ついでに「昇格すればするほど時間の融通は利かなくなるし」という話が続き、同じ女性でも昇格が早いのはやはり残業が多い傾向にあるという話もされた。この辺はあまりサプライズもないのだが、これを聞きながら、じゃぁ昇格は要らないなと思った。

と同時に、「でも、私みたいな感じで働くのも、ロールモデルの一つとしてあっても良いと思うんですよね。」と気づいたら呟いていた。これに上司が動揺したのだと思う。「いや、まぁ、男は普通昇格を気にする、男はね。」と言った。

ここから察するに、残業=コミット度合と認識しているのだと思う。残念だが。幸いにも昨年度まではそういった評価を下されたとは思っていない。しかし、今年度、この上司の期待に応えるような働き方をしたいとは思えない中、そういったところが評価に影響するのかと思うと色々考える。

その後、別の部署の先輩(男性)とランチに行った時、先輩が「〇(←私)は子供3人いて働いてもいて、よくやってるよ。」と言ってくれた。この瞬間、あっさりと、異動したいと思った。それくらい誰と働くか、働きやすいかは外せない。

なお、夫を見ていても、残業=コミットメントであることは往々にしてあると思う。私も乗っているときは残業して問題ないか夫とも調整した上ですることはあるのだが、これが常態化することを良いことと思えていない。常に終わりの時間を意識して逆算してそこにはめ込むことは意識していて、その働き方が割と心地よい。

あと、女性で家庭も子供もあっても残業が毎日可能な人の一部には、祖父母が近所に住んでいる、あるいは旦那さんとの収入のバランスを考えて妻側が長時間労働もして昇格する方がトータルで良いため戦略的にそうしているケースもある。就職した業種の違いで、夫がどんなに優秀であっても給与は妻の業界の方が高い事はあり得る。

この場合、妻が子供を扶養に入れ、夫がより柔軟に家庭のことに対応し、その方が例えば子供の受験勉強で伴奏するにも夫の方が教えるのが得意で都合が良いといったケースもある。

全く別のケースで、両親ともに医師として大学病院に勤務するご家庭を間接的に知っているのだが、お子さんが3人いらっしゃって、シッターさんを専属で雇い、両親ともに夜勤の場合には、お子さんはシッターさんの家に泊まって、そこから学校や保育園に行くご家庭があった。

この方法を知ったとき、お子さんのこともとても大切にされていると思って感心したのを覚えている。またシッターさんは習い事などの付き添いもされていて、親とシッターさんの3人で子育てと家事をされている感じだった。のちにご両親のうちどちらかは開業医になったと聞いているが、もしかしたらそこはWLBも考えての事だったのかもしれないと思う。

まとめ方が難しいが、ライフステージに応じて、振り返って後悔しないか考えて、自分に正直に生きるのが良いのかなと思う。