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悩める

長男とは些細な事で利害対立が発生してしまう事がある。次男や長女とももちろん、どちらかが譲り合わなければいけない事というのは沢山発生するのだが、長男との利害対立は妥協点が見つけづらく、どちらかが少々無理して相手に合わせなければいけないことも多い。

特に、親が「やめてほしい」と思うことが、長男にとっては「やりたい」ことである場合が難しい。親が「やめて」とひとたび伝えてしまうと、こちらは伝えたのだから辞めてくれるだろうという期待をしてしまうため、それに反した行動があると、気持ちを蔑ろにされたように感じてしまい叱りやすくもなってしまう。

もう一つは、気持ち云々の前に、そもそもダメなことはダメという事が伝わりにくいということもある。

今回は、そんな中でも長男なりの歩み寄りがあったのだなと感じられて、穏やかに話し合えた事例について書いてみたいと思う。また同時に、長男との会話においてポイントがあるかもしれないと思ったことについて書いてみたいと思う。

ヒーターの上に物を置かないでくれ

これはもう去年からあった話だが、冬になって長男の勉強部屋にヒーターを出してやると、その上に長男は液体の入ったコップやら、普通置かないでしょそんな物という物を乗せてヒーターの熱を使って実験し始めてしまう。

液体をヒーターの上に置くことについては親的にはNGで、こぼれたらヒーターが壊れるかもしれないし、後始末も大変だし、絶対に止めてくれと思うのだが、アルコール、重曹、砂鉄、水、お酢など、とにかくそういった物を混ぜてヒーターの上に置いてしまう。

一度「何度言ったら分かるんだ!?」と怒った直後に得体のしれない液体を温めて、その側で勉強していたため、もしや叱られすぎて自暴自棄になって危険なガスでも発生させているのではないだろうなと、私の方が怖くなって窓を開けて喚起をしたこともある・・。

親としては、そういった実験をやること自体は否定していない。やっても良いが、その場所でやるのは勘弁してほしいとか、やっても良いが別のタイミングでお願いしたいなど、そういう場合が多い。

我が家は親がこのような反応をするわけだが、かつて、さかなクンの本を読んだ時、お母さまが寛大で、さかなクンが魚の入った水槽を畳に置いて畳が腐ったらしいのだが何も言わなかったそうだ(記憶が正しければ)。

だから、さかなクンのお母さまのように反応できさえすれば何ら問題は起きないのかもしれないと思ったりもするが、しかし親の方の許容度を変化させるにも限界はあって、時々これは親の特性で変えられないものとして、もはや長男の方が理解してくれた方が、叱ることも減って助かるなと思ってしまうこともあるのだった。

ヒーターの上にまた置いた、でも

そしてつい先日も長男はまた置いたのである。それを見た瞬間、なんでこんなに言っても繰り返すのだと、いつもなら怒りが湧いてきてもおかしくなかったのだが、たまたま前日に別の事で叱っていて、この日は絶対に叱るまいと心に誓っていたため、冷静に話しかけられたことがあった。

液体がこぼれたら全部中に落ちるのだろう


これが踏みとどまった時の光景である。

母 :また置いてる。これドラ(長男)や。怒らないからちょっと話を聞かせてくれ。何がしたかったんだ?したいことがあるなら言ってくれたら別の方法で温めさせてあげるから。ヒーターは壊れたら困るんだよ。

長男:もう捨てるからいいよ。

母 :このコップ、温めてゴム手袋を膨らませたかったの?

長男:いや違う。

母 :お湯作って、武器にしようと?

長男:全然違う。

母 :このアルミはあちーわ(左側の物体はアルミホイルを何箱も使って作った塊)

長男は危害を加えるようなことはしないのだが、親から怒られることに対して納得がいかなかったり、反発することも増えていたため、そろそろ反撃もあり得るだろうかと思ったのだった。

そこまで思いを巡らしたとき、はっと気づいた。

母 :このゴム手袋、液体がこぼれないように工夫したの?

長男:うん

長男は確かにヒーターの上に物を置かないでくれという繰り返しのお願いは無視していたが、こぼれないようにしようとはしていた。これに気づいた時、OK行けると思った。「置いてはしまったけど、そこ気を付けてくれたんだよね。それはお母さん嬉しい。工夫したんだよね。まぁ本来なら、置かないか、置きたいなら訊いてくれたら代案出せたかもしれないけど、でも分かったよ」と伝えたのだった。

実はこの会話の中にポイントがあるかもしれないと思っている。「こぼれたら困るから置かないで」は、結論は「置かないで」で、それが納得しやすいようにと「こぼれるから」を入れているが、長男はこれを「こぼれると困るのだな、ではこぼれないようにしよう」と考える所がある(一休さん?)。

先日も似たようなケースで、一緒にレストランに行く予定があり、おなかを空かせたままにしてほしいからと、「お昼に響くからお菓子とか食べないで待っててね」と言って私が出かけたところ、帰宅したら長男がジャンボアイスを食べていたことがあった。

どういうこと!?と私としては親心でおいしいものを食べさせたかったのにとショックを受けたのだった。そして聞けば長男は私から言われたことは覚えていた。長男の説明は次のようなものだった。

「昨日の夜アイス食べて良い?って聞いたら、『今日はもう遅いからやめておいて』って言われたから、じゃ明日なら食べて良いんだなって思ってたの。で、このくらいの量なら食べてもお昼には響かないと思ったし、今食べないと、今度はまた塾に行って帰ってきたらまた夜で食べるチャンスがないから、今しかないと思った」

この話は今となっては了解しているが、結構ショックだったのと、隠れて食べてバレなければ良いやという魂胆でやったのではなかろうかと疑ってしまったこともあり、バトルになってしまったのだった。

そもそも親が「0(ゼロ)」にしたいものを、長男は「1」にしたいわけで、またそのような状況が非常に多く発生するのだと思う。

ついでの話で

ついでなのでヒーターの上に置いてあったアルミホイルについても書いておこうと思う。下のアルミ玉も長男が作ったものである。

これらは「無断で使わないでくれ」「使ってなくなったら報告してくれ」に反して作られたのだった。長男はどうしてか無断で使った上に使い切っても言わない事がある。アルミホイルを料理の最中に使おうと思ったら空で困ったのだった。

長男作。アルミホイル10箱は使っている。

実家が使い切れないからと10箱以上もアルミホイルを送って来てくれたのだが、我が家も使い切れないがどうしようかと思いつつパントリーに入れて置いたら、長男が全部使ってしまっていた。


使いたいなら全然使ってもらって構わない、ただし、事前に確認、あるいは事後報告をというお願いなのだが、なぜかやってくれない。そこすらもやってくれないのなら・・と親も厳しく出てしまうのである。

よってやはり、長男に対しては、長男も変わってくれないとさすがに親もきついよとは伝えているし、長男からしたら少し確認しすぎと思えるくらいに確認して、合意が取れた状態でやるくらいが親からしたら丁度良いという事も伝えている。

アルミホイルについても、一通り話し合った後、「まだいる?いるなら業務用の買ってきてあげるよ。聞いてくれたら禁止しないから」と言ったのだが、もういらないのだそうだ。

これを書いている今日もまた別のことが起きた。塾から帰った後、夜遅く、お風呂上りに素っ裸のまま洗面所で何かやっているなと思ったら、洗濯用ジェルボール(洗濯用洗剤を量らなくてもよいように個別のジェルボールになっている洗剤)を無断で引っ張り出して溶かして観察していた。

お風呂上りの塗れた手を袋に突っ込んだら残りのジェルボールまで大量にダメになるではないかと思ったが、そこは乾いた手でやったのだそうだ。

何というか、だいぶ聞いてから出来るようになってはいるのだが、何かしら気づいた時にはやっていることが多くて叱られてしまう。とにかく「訊いてからやって」と言ってしまっている結果、それに反して行動されると親が反応しやすくなってしまった部分もある。ただジェルボールは別に怒らなかった。最悪全部だめになっても金額的にも知れている。

本当に、「確認してからやる」、あるいは事後でも良いから伝えてくれるだけで良いのだが。

訊いてからやればやらせてもらえた経験も積ませてみたり、ジェルボールについては、溶かしてどんなことがしたかったのかと話を振ってみたり、確認だけしてくれたらやりたいこと自体は禁止もしないということも伝えてはいる。そしてもちろん訊いてくれたら「嬉しいし、ありがとう」も伝えているため、長男にとっても訊いてからやる方がメリットと感じてもらえたらと思っている所である。

しかしなかなか難しく、であるならば場合によっては「やめてほしい」を達成するために、例えば長男が無断で味付け海苔(これも実家から大量に届いていた)を食べてケースを自分の部屋にポイ捨てしていたのを発見した際には、パントリーに残っていた味付け海苔には「ドラへ、食べないでね」と紙を貼っておいた(1缶丸ごと食べるなんて信じられんが)。

一応数が減っていないため、食べに来なかったか、張り紙を見てあきらめたのだろうと思っている。

本当はこんな張り紙だとか、まったくやりたくないのである。たださすがに無断で全部食べられて腹を立てて親子関係が悪くなるくらいなら、張り紙で対処しようかなというところなのであった。

似たような話は沢山あるが、ひとまずこれくらいにしようかと思う。


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