高校2~3年生編 狩猟者達4
クエスチョンタイム
昔からイギリスには、議院内閣制を設けられており、しばしば与党と野党との討論できる時間があります。日本にも99年頃から「党首討論」が生まれました。それからは、どの時代であっても、与党と野党の間に質問や討論できる状態になっているのです。
向かい側には、3人セーラー服を着た同い年と見られる女子高生。コチラは、夏服のグレーのズボンを履いた高校生3人組。まさに゛与党と野党゛。
真ん中には、代表である私が。右にはナンバー2であるS。左には、ナンバー3であるH。一見馴染まれた光景ですが、20分前までは初対面の6名が駅前で一同に揃っていたわけです。緊張感が空気として演出していました。
モグモグ・・・・。ポテトを食べる音が聞こえています。皆下を向きながら食べていました。
(おいおい、こんなお通夜みたいな場面有るか?笑)
(入学したてのうちの学校じゃねえか笑)
苦笑いしながらも、右にいるSがウインクしてきました。PHSを見ると、Hからメッセージが来ていました。
H「智聖くん、沈黙してますが、俺から話していいですか?」
私「どうぞ。反応イマイチなら俺も話す。」
Kは、ポテトを食べながらガールズトーク中でした。けれどもSをよく見ていたのです。Rは、時たま私を見てニヤニヤしていました。Eは、大人しいのか二人の話を聞いています。
H「あ、ゴメン話してる時に。」
「そういえば学校とか地元聞いてないよね。」
私「そうそう、改めて自己紹介しよっか。」
自己紹介タイムにしてみました。3人共オッケーを貰います。
Kは、姿勢を正しくハキハキした感じで話始めました。
K「私はZ中・・・あ、ゴメン。中等部からエスカレーションして今高等部2年です。」
「地元は、○○区です。」
まるで今も現役中学生かのように、言いかけて改めて所属を言い直しました。
(緊張しているんだな。それも可愛いけど。)
Sは、これを見た瞬間、腕を組んで神妙な顔で聞いてました。
Rは、あっちゃーと顔に手を置いて、ため息を付いてました。
「アタシも同じZ。アタシは幼稚園からココなんだ。」
「Kは、中等部からだから。歴は浅いけど。」
「地元は、○○です。ココから近いよ。」
僕ら3人はビックリしました。誰もが知っている超高級住宅街だからです。だから、奢ってもらわないような余裕があるんだなと。納得でした。Sの地元とかなり近いので、二人はそのジモティートークを少ししていたのを覚えています。
S「俺今いるココが地元だからさ、なら家近いね。」
R「そうだね。S君も結構お金持ちなんだ。」
「じゃ、次は甘えちゃおう♪」
急に猫なで声になったので、私とHは、ビックリしました。何だこの女はみたいな。そのような流れを経て最後にHとEが自己紹介します。ところが、ノーマークだったEの話を聞いてビックリしました。
E「あ、アタシは、○○区の〇〇○に住んでて。この辺りなら知らないよね。」
その瞬間、SとHが驚いたと顔しました。
(思いっきり俺の地元じゃねーか笑)
私「俺、地元駅が○なんだけど、小学校はどこ?」
Eは、当然驚いた顔をして嘘?!と偶然にビビッときたようです。
E「あ、あたしは小学校からココの私立だから地元の友達いいないんだ。ゴメン。」
(なるほど。。じゃあ、公立だったら隣の中学の区域だったんだろうなあ。)
Kは、そのやり取りを見て思い出したかのように言いました。
K「そういえば手紙の住所は、Eちゃんと同じだったの今思い出した。」
「もしかしたら駅とかで会ってたかもね笑」
少しずつお互いを知っていくことで親睦を深められました。
そんな中、一人だけRは鏡を見ながら化粧チェックをしている始末でした。我関せずです。
(R、俺らに興味があるのかよくわからんな。)
食事を終えてとうとうカラオケとなりました。
カラオケの時間
おやつタイムが終わり、うちのSが紹介をしてくれたカラオケに行くことになりました。ココは、チェーン店では無くて地域密着のお店でした。個人経営ですが、5店舗ぐらい出している若い人に人気の店舗だったようです。
当時は、今のようなタブレットや手打ちの機械が無くてカラオケの本を見ながら曲を見つけて番号を入れてリモコンを使っていました。若い時だと英語とか疎いので、曲名と歌を間違えたことがコロコロありました笑
R「ねぇねぇねぇ、何歌う?やっぱあゆ?」
K「あたしは、モー娘。かな。」
(うーんやっぱり女子だな。流行の曲を探してるな。)
Sは、相変わらずニヤニヤしています。
S「おい、女よりもお前のカラオケが気になってきたぞ。」
「智聖、お前歌下手ぽいしなあ笑」
H「智聖くん、俺はゆずで行きますよ。」
ふたりともマイペースです。
ふとEを見ました。男とカラオケに来たことがないせいか、悩んでいる模様です。
E「何歌うか、よくわかんなーい。」
K「適当でいいよ。あんまり来たこと無いでしょ?」
とりあえずSは、ラルクやグレイなど今風の曲を入れていました。やはりジェントルマンを気取っているらしくて、自分の得意な歌、女受けが良い分野は把握しています。
K「あ、Sくんラルク歌えるんだ。凄い!」
R「Hくんは、ゆずか。いいね。」
二人の女子高生は、感心していました。
そろそろ私も曲を入れる番ですが、何個か好きな歌手の歌は覚えていたんですが、曲名がこんがらがっていたので、悩みのタネの時間だったと記憶しています。
(このままじゃダメだな。みんなが知ってる曲にしよう。)
とうとう密室に若い男女がカラオケをすることになりました。次回は、その続きを書こうと思います。
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