まいにち、夢を見ている
他人の夢の話ほど、つまらないものはない。
と誰が言ってただろう。
僕もそう思う。
思った上で、僕の夢の話だ。
最近、まいにち夢を見ている。
起きた瞬間、ちゃんと覚えている夢だ。
漠然と、何かの夢を見た話ではない。
はっきりと覚えている、夢の感触ではなく、確かな記憶として。
人生に、一度ぐらいはそんな夢を誰も見るのだろう。
それが、まいにち、である。
大丈夫だろうか、という気になる。
例えば、ある日の夢はこんな具合だ。
僕は旅行に来ている。団体旅行で、船に乗っている。船はすでに陸が見えないぐらい沖に出ている。大きな船だ。サーカス団が乗っていて、毎日ステージがある。絢爛豪華な船だ。その船に乗っている。
フロイトなら分析するはず、僕の精神状態を赤裸々に分析して、したり顔をしているのかもしれない。
そんな意味はない。
と言い切れるだけの勇気もないから、僕は曖昧にうなづいて、炭酸水を飲み干した。
今、被災地に来ている。
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