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新型コロナワクチンでアルツハイマー病の予防ができる?

帯状疱疹ワクチン接種でアルツハイマー病のリスクが低下

さまざまな感染症が認知症の原因になる

 帯状疱疹ワクチンなどの成人用のワクチン接種で、アルツハイマー病の発症リスクが低下することが分かった(注1)。アルツハイマー病のリスクを下げる効果があったワクチンは、帯状疱疹ワクチン、肺炎球菌ワクチンと、破傷風およびジフテリアの二種混合ワクチン、この二種に百日咳を加えた三種混合ワクチン。接種していない人と比べると、アルツハイマー病の発症リスクが25~30%低下した。
 一方、新型コロナに感染するとアルツハイマー病になりやすくなること(注2)、新型コロナワクチン接種で後遺症(long COVID)の症状が軽くなること(注3)が知られているが、おそらく、成人が接種するさまざまな感染症のワクチンは、ウイルス感染による脳の神経細胞の炎症を抑えることなどで、アルツハイマー病の発症リスクを下げる効果があるのだろう。
 アルツハイマー病を予防するためにも、新型コロナのワクチンは、できることなら接種した方がいいだろう。脳の神経細胞を保護することで、パーキンソン病も予防できるかもしれない。

以下の論文を参考にしました。
注1)Harris K et al., (2023) J Alzheimers Dis, 95(2): 703-718
注2)Xu E et al., (2022) Nat Med, 28(11): 2406-2415
注3)Tran Viet-Thiet et al., (2023) BMJ Med, 2(1): e000229

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