公園を歩く⑩(奮闘努力の甲斐もなく)
(公園を歩く歌シリーズです)
寅さんの『男はつらいよ』を玉置浩二さんが歌っています。
実は、僕は、映画の「男はつらいよ」を、通しで見たことがありません。
正直、まだ面白さがわからないというか、自分等の世代よりも前の世代の人情映画って思ってました。
なので、寅さんの明るさと、歌の旋律の陽気な調子しか、印象にありませんでした。
でも、玉置浩二が歌うと、なぜか悲しい気持ちを歌った歌詞に聞こえます。思いもよらぬ発見がありました。
妹にあてた気持ちを吐露していますが、ダメ男の独り言として聞いてもいいかもしれません。
公園で口ずさんでみても良いかもしれません。
かつての辛い時期の自分にピッタリの歌詞ですね。
無理を重ねて、自分の意思に反しても、組織目標の達成に悪戦苦闘していたかつての自分がいました。
そんな自分がイヤになり、部署異動して夕陽のなかを散歩する余裕ができても、他人に遅れをとることに忸怩たる自分がいます。
どちらの自分も、極楽浄土にいるわけではなく、くるしい毎日をすごしています。
隠遁を求める他はありません。
周りが暗くなり始め、「今日もダメだった」という気持ちを表しているのですかね。涙で夕日が霞んで見えるみたいな。
寅さんの職業は、「販売員」みたいなもの(香具師)だそうです。
売れなくて、悔し涙か、悲嘆に暮れているのですね。
仕方がない。働く大人とは、そのようなものなのですから。
これを昔の根性論ととらえるか、いつの世も真理ととらえるかは人によります。
僕はなんとなく真理じゃないかなって気がします。
ドブに落ちて逃げるにしても、次の道筋をたててからにしないといけない気がします。
臭気に驚き、衝動ですぐその場から逃げてしまっては、長期的に見て、ロクなことにはならない気がします。
ドブの中でするような腐れ仕事もサラリーマンをやっていると時々ありますが、永遠にそれが続くわけではないと思います。
また、結局花が咲くことがなくても、代償としての報酬と、幾ばくかの人生経験が必ず残ります。
ほんとうの人脈が残る人はもっと幸せだと思います。
世の半隠遁人さん方、平日のお天道様が明るいうちはせめて、諸々頑張りましょうか。ただ、職場に一生居られない、いつか定年を迎える方は、家には早めに帰りやしょう。。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?