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【アタッチメント理論】子どもの「安心感の輪」を広げるために:親ができること

はじめに
 
子育て中の皆さん、こんにちは!今回は、子どもの成長を見守り、支えるための大切な考え方、「安心感の輪」についてお話しします。子どもたちが安心感に包まれて過ごすためには、親としてどのように見守れば良いのでしょうか。


1.安心感がもたらすもの

 まず、「安心感の輪」とは、子どもが安心して過ごせる環境を指します。例えば、公園で遊ぶ子どもが、ふと振り返ってお母さんがベンチに座って微笑みながら見守っているのを確認する場面を思い浮かべてみてください。お母さんが見守ってくれているという安心感があるからこそ、その子どもは思いきり滑り台に挑戦したり、友達と新しい遊びを考えたりできます。

 このように、子どもたちは応援団に見守られているかのような温かな雰囲気に包まれることで、遊びに没頭し、新しいことに挑戦する勇気を持てるのです。「安心感の輪」について詳細に解説している別記事もありますので、参考にしてみてください。

【アタッチメント理論】子どもの成長を支える「安心感の輪」の重要性

2.探索活動と自発的な遊び

 安心感に支えられた子どもは、例えば、庭で新しい虫を見つけたときに、「あれはなに?」「よく見てみたい」「触ってみたい!」といった好奇心にあふれ、その虫に近づいていきます。これは「探索活動」と呼ばれ、子どもが自発的に行う遊びの中で最も重要な活動の一つです。

 子どもが何かにこだわり、例えば、その虫の動きを観察し続けるとき、その頭の中ではまるで科学者のようなプロセスが進行しています。虫がどのように動くのかを考え(仮説を立て)、実際に触れてみたり(試行錯誤し)、異なる方法で再度観察したり(仮説を修正して再挑戦)する。この繰り返しが、子どもの学びと成長を促します。

3.温かく見守ることの大切さ

 子どもが一人で黙々とブロックで遊ぶときも、友達と一緒に砂場でお城を作るときも、その遊びは子どもの力を伸ばす大切な取り組みです。遊びは「やらされる」ものでも「やらなければならない」ものでもなく子どもが自発的に取り組む活動です。例えば、ブロックを積み上げて塔を作りながらバランスの取り方を学んだり、砂場で砂を掘って水を流しながら水の動き方を学んだりします。

 また、子ども同士で遊んでいるとき、例えば、鬼ごっこをしているとき、自分が「こうしよう」と思うこと相手が思うこと同じとは限りません。そこで生まれる駆け引きは、子どもの社会性を伸ばす貴重な機会です。

 子どもの活動を見守る際には、遊びの進行に直接干渉するのではなく、侵害的な関わりを避け、情緒的な温かさを大切にしましょう。例えば、子どもたちがトラブルになったときには、すぐに解決策を指示するのではなく、見守りながら自分たちで解決するのを待つと良いでしょう。

4.子どものシグナルを見逃さない

子どもが不安になったときや、自分の発見や活躍を見てほしいとき、例えば、公園で初めてうんていを渡りきったときなどに、大人の方を見ます。そんなときには、「すごいね!」「がんばったね!」「ここにいるよ!」と声をかけてあげましょう。

 また、子どもが砂場で一生懸命に砂のお城を作っているときなど、特にシグナルがなくても心の中でエールを送りながら見守ってください

5.「見守り」と「監視」の違い

 「見守り」は「監視」とは違います。例えば、子どもが公園で遊んでいるときに、一挙手一投足に目を光らせて「こうしなさい」と指示したり、「そんなことをしてはダメ!」と叱りつけたりしていては、子どもは委縮してしまいます。

 絶対に危ないこと、例えば道路に飛び出そうとしたり、高い遊具から落ちそうになったりする場合は止めなければなりませんが、子ども自身が危険に対処する力をつけることも大切です。例えば、砂場で友達とケンカしそうになったとき、すぐに介入せずに少し距離を置いて見守り、子どもたちが自分たちで解決する機会を与えることが重要です。

 直接のやりとりがなくても温かさや優しさが感じられる空間の中で、子どもはのびのびと居心地よく過ごせます。

6.トライ&エラーの大切さ

 大人の目には「こうすればうまくいく」ことが明らかでも、例えば、ブロックで高い塔を作ろうとしているときに、子どもにとっては自分で試行錯誤することが大切です。ブロックが何度も崩れるたびに、子どもはどのように積めば安定するかを学びます。

 子どもが「どうすればいいの?」と正解を求めてきたときも、すぐに答えを示すのではなく、「一緒に考えてみよう」と言って、一緒に答えを探すような関わり方をしましょう。例えば、「どのブロックを下に置くと安定するかな?」と問いかけることで、子ども自身が解決策を見つける手助けをします。

最後に
 
子育ては大変ですが、子どもたちの成長を見守りながら温かくサポートすることで、子どもたちは自信を持って自由に活動できるようになります。皆さんも、子どもたちの「安心感の輪」を広げるために、応援団として見守ってあげてくださいね。

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