意思決定に影響を及ぼす、リーダーが知るべき10の認知の歪み
前回の投稿では、事実をありのままに認識することはリーダーにとって最重要事項というお話をしました。
その中で、認知の歪みは、事実に基づく意思決定を難しくする、ということにも触れました。
認知の歪みは、事実をゆがめてみています。
認知の歪みには、さまざまなものがあります。そこで、今回は認知の歪みをひととおりご紹介します。
意思決定の際には、事実をありのまま捉えているか、認知の歪みが入っていないかをぜひ確認してみてください。
認知の歪み
1.全か無か思考(all or nothing 思考)
すぐに結論づける、ひとつがダメなら全部ダメという思考。
一つでも低い評価があると「これではダメだ」と落ち込む。
「完璧か、それ以外は全て失敗」と考えると妥協できない。妥協することも必要。
2.一般化のしすぎ
わずかな出来事を根拠に、あらゆる出来事が同じような結果になると一般化しすぎる。
「いつもこうなっちゃうんだよね」(いつもっていつ?)
「みんながそう思っている」(みんなって全員?)
3.部分的焦点づけ
少数の低い評価ばかりが気になる。
例えば、高い評価をうけているのに一部の批判的なコメントが気になって喜べない。
4.プラスの否認
ポジティブなフィードバックや成果を否定し、受け入れない。
褒められても素直に受け取れない、ありがとうが言えない、褒め言葉をはじく。
プラスを否定するたびに自己評価が低下する。常に自分に厳しい目を向けることによるストレスや不安が増大。
5.早まった結論
具体的で十分な根拠がないのに結論づけてしまう。
①心の読み過ぎ
きっと会いたくないと思っている、やってほしいと思っているに違いないなど、自分よがりに結論づける
②先読みの誤り
今は良好なのに不安になる、やってみなければわからないことをやらずに結論づける
結論づけてしまってから行動すると、その通りなることはよくあります。その結論になるように行動してしまいがちなので気をつけましょう。
6.拡大視と縮小視
自分の短所や失敗を実際より大げさに考えて、反対に自分の長所や成功を実際より小さくとらえてしまう
欠点は拡大視、長所は縮小視、自分の失敗は拡大視、他人の失敗は縮小視
自分は問題だらけと思いがち
7.感情による決めつけ
感情がまるで事実の根拠であるように錯覚する
「何の希望もないように感じる(主観)」だから、この問題は解決できない
「罪悪感を感じる(主観)」だから、悪いことをしてるに違いない
8.べき思考(ねばならない思考)
自分や他人に対して「○○すべき」「○○でなければならない」と考える
例えば、「人に嫌われるべきではない」
しかし、誰一人として嫌われずに生きていくことは不可能
(人に嫌われないにこしたことはないが、嫌われる場合もある)
9.レッテル貼り
物事や人に「○○である」と否定的なラベルを貼る
人間は多様性をもっているものであるが、ひとつのレッテルを貼ることでそれにしか見えなくなってしまう
例えば、一度遅刻してきただけで「遅刻する人」と決めつける、
学歴で人を判断するのも一種のレッテル貼り
10.自己関連づけ
自分と関連づける根拠が十分ないのに自分のせいと考える
例えば、上司の機嫌が悪いと、自分のせいじゃないかと思い機嫌をとってしまう。
機嫌が悪いのは上司の責任であり、自分には関係ない
まとめ;
認知の歪みはさまざまなものがあります。
全部当てはまっている!という場合もご安心ください。
わたしたちは、多かれ少なかれ何かしらの認知の歪みは持っています。
認知の歪みに気がついて、緩める思考にしていくことで、意思判断に影響するような歪みはなくなっていきます。
まずは、認知の歪みというものがある、ということを知って、
自分にはどんな認知の歪みがあるかを、振り返ったり気づいたりして、
そして、歪みを緩められるように思考を変えていくことを、していきましょう。
歪みを緩める際には、極端になりすぎず、
「○○しないにこしたことはない」くらいの気持ちで取り組んでみてください。
(認知の歪みは緩めるべきだ、となってしまうと「べき思考」になってしまいますので^^)
気楽に取り組んでいきましょう!
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