2けたでわるわり算
小4で習う、「2けたでわるわり算の筆算」の計算を「難しい」と感じる子は多いようです。
トップクラス問題集などを使って先取りをやっていると、2けたわり算のところで混乱してしまうことがあるかもしれません。
特に、以下の点が難しく感じるポイントと言われます。
例えば、221÷32 で考えます。
第一関門:どこから商を書き入れる?
たし算ひき算やかけ算の筆算は小さい位から計算するのに、わり算の筆算は、割られる数の221を大きい位から見ないといけません。
百の位から順にみていくと、「2」は32で割れない。
次に位を右に1コ増やし、「22」にしても、32で割れない。
そこで、「221」を32で割れるか考えるため、筆算では一の位の上に商を「立てる」(仮の商を見立てる、推測する)!
見立てる商を置く場所が決まらないと、商が何ケタになるか見定めることができなくなるので、決定的に重要。
第二関門:商の見当をつける
ここで、問題発生。
1けたでわるわり算なら、九九を唱えていけば商(仮決めする商)が見つかったのに、2けたでわるわり算になると、「九九が使えない…」。
そのため、『わられる数』と『わる数』をそれぞれ概数(おおよその数)でとらえ直してから、商を考える必要があります。
「当たりをつける」ことが必要で、ここが他の計算と違うところです。大げさにいうと「仮説を立てる」ことになります。
今回の場合、割られる数の「221」と割る数の「32」を、例えば「220」と「30」ととらえ直したうえで「22÷3」の計算を考える。
ここでやっと、7かなと見当がつきます。
第三関門:2けた×1けたのかけ算
次に待っているのが、割る数に仮の商を見立てた数をかける、32×7の計算。
わり算なのにかけ算をしないと答えに近付きません
ここで暗算できないと問題発生。
「かけ算の筆算」をしないといけなくなり、計算間違いも起きやすくなります。
まだ終わりません。
第四関門:商をたしかめ、必要に応じて修正
見立てた商が正しいかどうかひき算をして確かめないといけません。
32×7=224
ここでまたまた問題発生。
かけ算して出た224が割られる数の221よりも大きくなってしまいました!
予想を立てた商が大きすぎたので、やり直さないといけません。
今度は、32×7だと大きかったので、32×6で計算し直します。
試行錯誤のプロセスが入るのが大きな特徴です。
すると、32×6=192
再チャレンジで、221引く192で29
「割る数」より小さくなっているので、これが「余り」だとわかりました。
長かった!
2けたわり算は、こんなにたくさんの手順があり、それぞれのステップで注意しながらアレコレ計算しないといけません。
仮説を立てる→検証する→ダメなら再度チャレンジ というプロセスをたどります。
一見、「なんでそんなヤヤコシイことをするのか」とすっきりしませんが、もともと一発で答えを出せる問題ではないのでしかたがありません。
わり算したいのに、かけ算やひき算が出てきて、概数で見当をつけたり、かけ算したものが大きすぎたり小さすぎたら調整しないといけない…。
計算な苦手な子には本当にウンザリだと思います。
我が家の算数少年に、2ケタわり算をどうやって修得したか聞くと、「わり算の筆算のやり方を教わったことがない」という。
でも、小学校でやったよね?じゃあ、どうやって計算するの?
「32は3倍すると96と100に近い数になるから、221を割るには、ここでは6倍すればいいとすぐわかるよ。」
「商で7を立てて、32×7が224と出ても、やり直す必要はないよ。割られる数221との差が3だから、商が6、余りが32から3引いた29になることは明らかだよ。」
ま、そうなんだけど…。
何はともあれ、2ケタ×1ケタのかけ算は暗算できるようにしておくと、2ケタのわり算でも威力を発揮することは確かだと思います。
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