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子どもの時間の感覚は大人と全然違う
中学受験において親の関与が必要な大きな理由の一つが、受験生である子どもによる自己管理、特に時間管理が難しいことだと思います。
目的を認識し、自分で目標を設定し、そこから逆算して計画を立てて実行していく。
進捗を見ながら、途中で計画通りに行かないことが出てきたら修正をかける。
いつまでに何をしなくてはいけないか。
今、どこまで出来ていて、あとどれくらい残っているのか。
時間がないとしたら、この状況では何を優先すべきなのか。
こうした思考は受験においては必須のプロセスで、大学受験だったら、当たり前のように自分自身でやると思いますが、中学受験はそうなりません。
個人差がありますが、特に、小学生男子は精神的に幼いこともあり、そこまでできないことが多いです。
息子も、1年先どころか、1か月先のことも「遠い未来」のように感じていて、2年後、3年後のことなど想像すらできませんでした。
目の前の問題が解けるかが最大の関心事でした。
そして、テストの点数に一喜一憂。
だだし、問題を考えているときは、「時間」を忘れたかのようにかじりついていましたが…。
大人とはまた別の次元を生きていたように感じました
勉強の計画は、その日に何をやるか考えるのが精一杯で、それも「今日は何やる?」とこちらから聞かないと考えませんでした。
教育評論家の石田勝紀氏によれば、「子どもは時間の概念を持っていないため、準備は自主的にはできない」そうです。
「やっぱりね」
石田氏が言っていたのは次のようなことでした。
・子どもが感じることができるのは「現在」で、過去のことや未来のことには意識が殆ど向かない。
・だから、自らの意思で、過去の失敗を繰り返さないようにするとか、先を予想して今から準備するのが難しい。
・目の前に楽しいことがあればそれをやり、つまらなければやりたくないと反応するだけ。極端な話、「現在」にのみ生きている。
・但し、男女で差があり、男子の場合、時間の概念が出てくるのは多くは中2の夏以降、女子は、小6あたりで出てくる傾向。
小学生高学年から中学生くらいの年齢で「精神的に2年の差」があるのはとても大きなことです。
親としては、本当は「共学」の学校がよかったんだけど…。
子どもの受験に伴走していたとき、子どもの評判が悪かった親の掛け声のワースト3の中にあったのが、
「早しくしなさい」。
早くしろって言われても、「これでも精一杯やっているのに…」
本人としてはこれ以上できないくらい迅速にやっているつもりでも、大人の目から見ると、切迫感なくノンビリやっているように見えました。
親は待ちきれずに「早くしなさい」を連発しましたが、何度言っても通じていないようでした。
子どもは時間の流れが違う「別次元の世界」を生きているので、大人の時間の感覚で考えてはいけなかったのです。
そのときはわかりませんでした。
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