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<はじめに>
ここで書こうとしたことは、一生懸命頑張って結果が出てよかったという話ではありません。親子で中学受験に臨み、小4で受験勉強を始め、小6の2022年2月に開成&筑駒合格に至る、3年越しの真剣勝負の記録です。

この道のりは決して平たんではなく、とても長いものでした。終わってみるとあっという間に過ぎた時間のようにも思います。その一方、たどってきた道をふり返ると、富士山の裾野に広がる樹海の中を必死にかき分けながら進んできたイメージが思い起こされます。ああ、あそこにものすごい崖があった、途中で道がなくなり川を渡った、迷い道に入り込んで途方に暮れた、山の上から見たらこっちにもっといい近道があった等々、様々な出来事の記憶が呼び覚まされ、考えが巡ってきます。

書こうと思った理由
受験が終わって数か月が過ぎた今、この道を本人と一緒に登ってきたのだ、という実感が湧くと共に、親も子もそれぞれの人生の中でこれほどまで真剣に何かに打ち込んだ経験はそうあることではなく、当時のことを書き残しておくことは意味があるだろうと思いました。

具体的な場面でどう考え、感じたか、今から振り返るとそれはどういうことだったのか。世の中に広く出回っている、綺麗に飾られた合格体験記とは異なり、率直に、ありのままに書こうと思いました。当時の状況をリアルにつかむことで、今後に生かせることも多いと思います。

特に参考になると思われるポイント
親の視点からみた一面的なものではなく、実際にその時本人が考えたこと、感じていたことも合わせて書くことで、最難関中学合格への軌跡を多面的に描き出そうと考えました。実際に勉強し、試験を受けたのは本人ですので、本人が何を考え、どう思っていたのかを知ることは貴重です。本文では、【本人コメント】として分けて記載しています。

開成&筑駒合格に至る過程において、どの時期にどのような勉強をしたか、成績はどう推移していったか、心がけていたことや、もっとこうしておけばよかったと思うことについてもできる限り具体的に記しました。何をどう勉強したか、受験生活におけるモチベーションの保ち方、得意な科目をどう伸ばしたか、苦手な科目をどう克服したか。これらは、中学受験に限らず、勉強や受験一般にも共通することだと思います。

息子の中学受験に伴走したこの3年間、父親である私は、塾のカリキュラムをベースとしつつ、国語算数理科社会4教科の学習状況の管理とアドバイスを行ってきました。
塾のプリント整理からスケジュール・進捗管理、各科目の理解度チェック、各種テストや模試の事前と事後のフォロー、科目別の強化、志望校対策。この3年間、中学受験にどっぷりと漬かってきました。この経験があるからこそ書けることがあります。

私自身、一介のビジネスマンであり、塾・教育関係者ではありません。一人の受験生の親として関わり、親と子の関係の中で家庭学習を進めてきました。受験の過程では、いいことばかりではなく、様々な葛藤、落胆、後悔、反省もありました。子どもが成長していく場面に立ち会えたという思いと、そこから自分自身も学ぶことがあったと思います。

開成や筑駒といった学校を目指される方にとどまらず、中学受験される方、これから検討される方、広く受験や勉強される方々の参考になれば幸いです。

出来る限り具体的に書こうとしているため、一般に公開することがふさわしくない内容が含まれており、読者を限定した有料の記事とさせていただいております。

<プロフィール>
本人は、小4からSAPIXに通塾。
2022年1月、栄東及び東邦大東邦を受験し、共に特待生合格。
同年2月、開成及び筑駒に合格。
SAPIXのカリキュラムをメインとしつつ、算数と国語は独自に強化。
親も、子と共に考え、悩みながら横について3年間伴走。

目次

第1章 中学受験開始前

<小学校低学年までの様子>

<算数/数学検定へのチャレンジ>

<小4から中学受験をスタートした経緯>

<塾の選択>

第2章 小4時代(2019年)

<SAPIXのある生活がスタート>

<SAPIXのトリセツ>

<家庭における親のサポート>

<志望校のイメージ>

<成績推移、表彰制度>

第3章 小5時代(2020年)

<四谷大塚テキスト・問題集による算数の強化>

<理科社会の勉強法>

<算数は一部過去問に着手>

<家庭内ポイント制導入>

<間違いや失敗を受け容れることができない>

<成績推移、安定するも一喜一憂>

第4章 6年生前半(2021年、夏休みまで)

<きつくなるスケジュール>

<算数の独自学習は続く>

<国語の急降下と低迷>

<理科社会の状況>

<成績推移、科目間のアンバランス拡大>

<学校の下見と説明会のメリット>

<算数オリンピックへの挑戦>

<中学受験国語の神髄>

第5章 6年生後半(夏休み以降)

<勉強の状況>

<模試の成績>

<SAPIXの開成・筑駒対策~筑駒に特化した対策なくして合格実績は他を圧倒>

<「開成と筑駒に落ちたら公立中に通うのですね?」>

<国語の記述対策と詩の対策>

第6章 運命の日

<入試直前期、1月に学校を休む>

<本番前、息子にかけた言葉>

第7章 戦いを終えて

<家族の協力>

<目標達成シート(マンダラチャート)>

<勉強脳のつくり方>

<間違いノート>

<体調管理>

番外編

<100点配点の、筑駒の調査書の謎>

<本人が語る学校別入試対策(問題の特徴、時間配分と科目別アドバイス)>

 <本人への質問>

・中学受験してよかったと思いますか?そう思う理由も教えてください。

・受験で楽しかったことは何ですか?

・受験で大変だったことは何ですか?

・親から言われて嬉しかった言葉は何ですか?

・親から言われて嫌だった言葉は何ですか?

・SAPIXの良い点と悪い点を挙げてください。

・SAPIXはどんな人に向いている(あるいは向いていない)と思いますか?

・中学に入る前と入った後でどう印象が変わりましたか?あるいは変わりませんか?



第1章           中学受験開始前

<小学校低学年までの様子>

息子は、もともと小さい頃から数字に強い興味を持ち、数字で遊んでいるうちに算数の勉強を自分でどんどん進めていったのを見て、その後中学受験を意識するようになりました。中学受験の準備として低学年から算数を先取りさせるという発想はありませんでした。

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