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銀河鉄道の果てにカンパネルラがみたもの

宮澤賢治の小説は未完の大作といってよい。
その壮大なる天文学と宗教観と科学と道徳。賢治作品は時として「捨身飼虎」を彷彿させるものがある。
ザネリを助けたカンパネルラ。
その後、ジョバンニと銀河宇宙への旅に就く。

「おや、こいつは大したもんですぜ。
こいつはもう、ほんたうの天上へさへ行ける切符だ。
天上どこぢゃない、どこでも勝手にあるける通行券です。
こいつをお持ちになれぁ、なるほど、こんな不完全な幻想第四次の銀河鉄道なんか、どこまででも行ける筈でさあ、あなた方大したもんですね。」

ジョバンニの切符は、さしずめアンドロメダ行きの無期限無制限の定期券のようなものなのだろう。
「こんな不完全な幻想第四次の銀河鉄道なんか」
幻想第四次という固有名詞は、数学的でもあり心象的でもあり、分からないけど分かったような心地を擽る言語です。

カンパネルラ。
実在のモデルがいたことも驚きですが、彼は賢治より長生きしました。賢治の死後に出てきた「銀河鉄道の夜」。彼はカンパネルラが自分であることを知ったのでしょうか。
こんな不完全な幻想第四次の銀河鉄道なんかを飛び越して……きっと。


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