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嵯峨野小倉山荘色紙和歌異聞~二十五の歌~

《桂マンション》 原作:三条右大臣 
あの人のお部屋の前まで来たけど、どないしよ。
今から急にピンポン押したらおこられるかな。
昨日の事思いだしたら、どうしても逢いとうなって・・・かんにんな。
マゴマゴ、ウロウロ。ウロウロ、マゴマゴ。
京都三条西洞院。
(注)かんにん=ごめんなさい。

定家「会いたいけど、会うのがこわいような、ためらわれるような……」
蓮生「微妙やね~。名にし負うはば 逢坂山のさねかづら 人に知られて くるよしもがな。さねかずらって確か・・・モクレン科のつる状の灌木やったな。秋に赤い実をつける」
定家「さねかずらの名前を紐解けば、逢っていっしょに眠りたいちゅう意味やから……」
蓮生「そのさねかずらをたぐるように、こっそり恋人のもとに逢いに行きたい、一緒に居たい、眠りたい、そんな娘がゐたんやね」
定家「愛やね~」

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