ふみと

読書の感想とか。

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最近の記事

【読書記録#5】伊坂幸太郎『チルドレン』

伊坂さんは自分の人生で初めてのめり込んだ作家だ。 中学生の頃『オーデュボンの祈り』を読み、洒脱なワードセンス、爽快な伏線回収に衝撃を受けた。 それから『ラッシュライフ』『陽気なギャングが地球を回す』と読み進め(なんとなく読んだ順番も覚えてる)、『アヒルと鴨のコインロッカー』でボブ・ディランを知り、『絆のはなし』から斉藤和義にはまった。 伊坂さんの小説との出会いが人生に彩りを与えてくれたのだ。 伊坂さんの小説では印象的な人物が数多く登場する。 今回の『チルドレン』の陣内はそ

    • 【読書記録#4】ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』

      多分10年ぐらい前に買ったものの、読まれることなく本棚に封印されていた。 いまいちSFに食指が動かなかった。なぜ買った。 SFちょいちょいつまみ始めるのは3年前?ぐらいに会社の上司からおすすめされて、スタニスワフ・レムの『ソラリス』を読んでから。これがとても面白く、SFへの興味を駆り立てた。 そして今年。満を持しての『星を継ぐもの』。 月の裏側で見つかった宇宙服を着た人間らしき死体。この死体は5万年前のものであった… ここから物語が始まる。 この死体の正体は?どこから来

      • 【読書記録#3】原田マハ『生きるぼくら』

        2年前ぐらい前に読んだ『楽園のカンヴァス』に衝撃を受け、原田マハさんにどハマりした。 彼女の本は アート系(『楽園のカンヴァス』、『暗幕のゲルニカ』、『たゆたえども沈まず』etc) 女性の葛藤、解放系(『さいはての彼女』、『本日は、お日柄もよく』、『異邦人』etc) に大きく分かれる気がする。 だけど、今回の『生きるぼくら』は全く違う。 ひきこもり、ニート、母親に出て行かれた青年が主人公だ。 そしてその青年が長野の田舎で米作りに励む話。 読み終えた後思うのは、「お

        • 【読書記録#2】劉慈欣『円 劉慈欣短編集』

          三体でお馴染み劉慈欣の短編集。 中国SFという新しい領域に気づかせてくれた。 本書のタイトルにもなっている短編『円』は、三体の人列コンピュータの話が元となっていると聞いたことがある。 ざっくり言うと人列スパコンを秦の兵士300万人で作り円周率を計算する話。とにかく発想の突飛さに仰天する。 それ以外には『郷村教師』『カオスの蝶』が個人的には好きだったかな。 なんだろう、中国SFの傾向を語るほど読んではないが、傾向としては政治的主義主張を挟み込む余地が無い程、奇想天外な話が多

        【読書記録#5】伊坂幸太郎『チルドレン』

          【読書記録#1】黒木亮『アジアの隼』

          黒木亮さんの本は『トップ・レフト』に始まり、『巨大投資銀行』、『青い蜃気楼』等数冊読んだことがある。 金融・経済系の小説がメインという印象。 元銀行マンというだけあって、圧倒的な業界知識と経験から生み出される文章は臨場感に溢れている。 さて、今回の『アジアの隼』は共産主義体制下の賄賂が横行するベトナムで巨大プロジェクトのローン引受をめぐる邦銀と米銀の戦いを描いている。 アジア通貨危機前後で「これからはアジアの時代!」と世界が競い合うようにアジアに投資をしていたところから、

          【読書記録#1】黒木亮『アジアの隼』

          スタート

          読書記録をつけようと思う。気が向いたらそれ以外の事も。 別にnoteである必要もなかったけど、なんとなくnoteに辿り着いた。 どうなることやら。