【読書記録#3】原田マハ『生きるぼくら』

2年前ぐらい前に読んだ『楽園のカンヴァス』に衝撃を受け、原田マハさんにどハマりした。

彼女の本は

  • アート系(『楽園のカンヴァス』、『暗幕のゲルニカ』、『たゆたえども沈まず』etc)

  • 女性の葛藤、解放系(『さいはての彼女』、『本日は、お日柄もよく』、『異邦人』etc)

に大きく分かれる気がする。

だけど、今回の『生きるぼくら』は全く違う。
ひきこもり、ニート、母親に出て行かれた青年が主人公だ。
そしてその青年が長野の田舎で米作りに励む話。

読み終えた後思うのは、「おにぎり食べたいな。」

普段食べてるお米も丹精込めて作った誰かがいる、という当たり前過ぎる事実を語り掛けられた感じ。
お米だけでなく、あらゆる商品・サービスには数多の誰かに支えられている。
そして同時に自分も社会の構成員として社会を支えている。

「生きるぼくら」

この言葉はこのことを端的に表現した言葉なんじゃないだろうか。
BOSSの「この世界は誰かの仕事できている」やコペル君の「人間分子の関係、網目の法則」みたいな。

突飛な展開は無いけれども、優しく清らかな小説だった。

そしてアート系小説ではないが、しっかり東山魁夷とかが出てきたりする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?