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寝る前の読み聞かせを『朝10分間』にかえたら、母子ともにWin-Winだった

子供のころ、母がたくさん絵本をよんでくれた。
そのなかでも『ロボットカミイ』と『おしいれのぼうけん』は、特にムネアツだった記憶がある。どちらも児童文学作家、古田足日(ふるたたるひ)様による名作だ。わたしはこのお方が好きすぎて、もしも自分が男の子を産んだら『たるひ』と命名すると決めていた。
ほかには『さっちゃんのまほうのて』。
この本を読むと、母が必ず泣いていたのでよく覚えている。当時のわたしには、なぜ泣いているのかさっぱりわからなかったが、今はわかる。こちらもすごくオススメな絵本だ。

読み聞かせといえば、『夜寝る前』という時間帯の家庭が多いのではないだろうか。我が家も読み聞かせは夜だった。
しかし、どうも身が入らない。なぜなら、『タイトルを読み上げてページをめくる』という行為で、脳が反射的に入眠の準備をはじめてしまう。 1mmたりとも眠くなかったはずなのに。おばさんが、自分で自分を寝かしつけている構図だ。
半分寝たまま読みすすめ、寝言まで言っているときがある。ずり落ちた絵本の背表紙の角が眼球にヒットし、「ㇶイッ!」と飛び起きることもしばしば。もはや、ちびまる子ちゃんの世界だ。こんな母親、子供の睡眠時間をたべるバクではないか。

ただ、絵本の偉大さは知っている。制作していたくらいだ。まだ「ママ、ママ」と、わたしの声に耳を傾けてくれるうちに、1冊でも多くムネアツな本と出会ってほしい。それに、借りてきた本を読まずに返すのは、なんかもったいない。それが、レビュー★☆☆☆☆の作品だったとしても。

そこでタイトル通り、読み聞かせを朝に変えてみた。

娘が朝食の食パンをはむはむしている間、大好きな安住紳一郎さんの朝の情報番組をいったんオフし、酵素を用意して(わたし用)、10分間だけ本を読む。紙芝居の日もある。ちなみに、今の流行りはコチラ。

娘は「テレビもついてないしなぁ…」と、必然的に絵本に身体を向ける。
すると、そのうち目がさめてくるのか糖が体内をまわりはじめるのか、質問がとんでくる。
「やかましいってなに?」
「マントルピースってなに?」
「ばんけん(番犬)ってどのいぬでもなれるの?」
「ウクライナのえほん?かわいそうだね。」
「ちょっといみわかんないけど、なんかオモローだね」

そして10分だったら問答無用に本を閉じる。すると、わたしがほしかった言葉を彼女は放つ。

「え〜きになる〜。」

ふふ。気になる頂きましたー!
また、あしたの お・た・の・し・み!

夜に読み聞かせをしていたときは、眠いのか興味がないのか、娘は指あそびをしたり、ちがう方を見ていたりだった。ただ起きてはいるので、わたしも反応が見えない本をダラダラ読んでいた。心のなかで『はやく寝ろよ』と思いながら。

朝にかえてからは、わたしのほうも『この子はこのレベルの内容は、まだ理解できないのか』とか『ウクライナとロシアの事情を知ってるんだ』とか『マントルピース?人生で初めて聞いたわ』など、朝からメチャクチャ発見する。
また、朝のクソ忙しい時間帯に、10分間という貴重な時間を捻出するために、食器洗いなどの家事を前の晩に済ませるようになった。
そしてなんといっても、こちらも朝活をしている己に酔い、ナレーターばりに読み上げてしまう。

本当に図書館には感謝だ。YouTubeもいいけど、やっぱり本はいい。この前なんて、つい図書館でお金を払いそうになってしまったくらい、価値のあるモノを提供してくれていると思う。

ということで、我が家には朝の読み聞かせが合っていた。というはなし!




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