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「北越雪譜」を読む

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江戸時代後期の雪国の生活誌、鈴木牧之「北越雪譜」を、ゆっくり読んでいきます
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2023年5月の記事一覧

「北越雪譜」を読む:10

「北越雪譜」を読む:10

 先日、関西ローカルのあるバラエティ番組を観ていたら、関西人ならスマホに秘蔵の写真が入っていて、それを元に面白い話の一つや二つできるはず、と言うことを検証しようとしていた。
 出演者同士でスマホを交換し、自分のものではないアルバムを好き放題にスワイプしながら、気になった写真を「これ何の写真ですか?」と撮った本人に見せる。そんなもんテレビで出すな!などとやいやい言いながらも、写真を撮った経緯などをユ

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「北越雪譜」を読む:9

「北越雪譜」を読む:9

 熊胆という生薬がある。
 生薬とは、「動植物の薬用とする部分、細胞内容物、分泌物、抽出物または鉱物など」(登録販売者テキスト2 U-CAN)のことだ。
 漢方薬に使われることが多いと言えばイメージしやすいだろうか。
 熊胆は、熊の胆嚢を乾燥させた生薬である。



 越後国の地図を思い浮かべてみていただきたい。範囲はだいたい、現在の新潟県と変わらない。

 越後国の西北は大海(日本海)に面して

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