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ナポレオンの野心と影響

    ナポレオンの野心は、「自国第1主義」です

自然を甘く見ると、とてつもない「しっぺ返し」が来ます。
いつの時代でも、どうして「権力を持つと壁をつくりたがる」のでしょう。

ベルリンに入ったナポレオンも、ここでライバルの大国イギリスを封じ込めるために「大陸封鎖令(=ベルリン勅令)」を出します。彼は「自然国境説」を主張して、<フランス第一主義の帝国支配>を確立しようと各国に戦争を仕掛けます。まさに、自由・平等、ましてや博愛の精神とは「真逆の侵略戦争」を展開するのです。
だから「封鎖令」に従わないロシアに攻めていきます。
     
    トルストイの「戦争と平和」
トルストイの『戦争と平和』はナポレオン戦争を下敷きにした長編小説です。ナポレオンは、「モスクワの冬将軍に敗れる」のですが、「自然を甘く見たら、人間の営みは簡単に崩壊する例」として捉えて良いと思います。
小説のすごさは直接読めばわかります。映画化されていますから、イメージの拡大になるでしょう。

現在、中国で始まり、世界を巻き込んでいる新型コロナウイルスの猛威も「自然の掟」に反することをやっているからです。もっと自然に対して謙虚にならなければいけません。

     ゴヤの幻滅と反発 
ゴヤの絵画はナポレオンの支配への幻滅と抵抗を表現する

ナポレオンは、スペインにも攻めていきます。圧迫された民衆の開放が宣伝文句ですから、画家のゴヤも大歓迎します。
しかし、ナポレオン軍の実態はひどいものでした。ゴヤは激しい怒りを絵画で表現します。これが有名な「マドリッド 1808・5・3」です。告発を絵画で表現したのです。

 
画家ゴヤの人生は凄まじいです。タピストリーの下絵を描く職人から、宮廷画家になるまで昇りつめながら、盲目になっていく。君もスペインに行って「黒い絵」を見ると、ゴヤのすごさの前で唖然とするでしょう。絵画の裏に「時代がある」ことを意識して欲しいです。

      ロゼッタ石とナポレオン

1799年。青年将軍のナポレオン・ボナパルトはエジプトに遠征して「Rosetta Stone」を発見します。この遠征に、160名以上の学者(天文・幾何・化学・動物・植物・医学・美術・建築など)が同行していました。彼は「アレクサンドロス大王を真似た」といわれますが、ともあれ、ナポレオンの視野の広さ、大きさが、現在まで続く人気の秘密ですね。
      
彼は「兵士諸君!このピラミッドの上から4000年の歴史が君たちを見下ろしている」と言ったそうですが、こうした発想と行動が指導者には大切です。私は、イギリスの大英博物館で「Rosetta Stone」の 実物を見たことがありますが、ここから「エイプト史」の研究が始まります。

現在でも言えることですが、世界の強国になるには「軍事力」・「経済力」・「文化力」がそろわなければなりません。
現在の覇権を狙う指導者に欠けているものは「文化力」です。
文化力なくして、とてもナポレオンにはなれないと思います。
社会がグローバルになればなるほど「歴史や文化を尊重する姿勢」が大切になります。自国第一主義だけでは、世界の覇者にはなれない。

覇者になったナポレオンは、他国を支配し、他国の文化・伝統を尊重しなくなったので滅びましたね。自然と同様に「文化は力」なのです。装飾ではありません。これを肝に銘じておいてください。
 
     日本が、もう少し・・・ 

日本も、第2次世界大戦でもっと「他国の伝統や文化を尊重する姿勢」を持っていたら、他国、特に東南アジアの国々から「もっと尊敬された」ことでしょう。
この広さ・大らかさを持つ「豊かな人間」になってほしいです。
 

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