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逆噴射家族(1984)

逆噴射家族(1984、ディレクターズ・カンパニー=国際放映=ATG、106分)●原案:小林よしのり
●監督:石井聰互
●出演:小林克也、倍賞美津子、有薗芳記、工藤夕貴、植木等

念願のマイホームを郊外に購入した一家が家の中で戦い合うという常軌を逸した作品。

床下に白アリを発見したところから家主・勝国(小林克也)の精神は次第におかしくなっていく。

それから勝国の父(植木等)がやってきてそのまま居着いてしまうところから平和だった家庭がクレージーな状態へと向かっていく。

白アリとじいちゃんという二つの闖入者が異分子として位置づけられているが、もちろんじいちゃんも邪魔をしようとして入り込んだわけではないので何とももの悲しい背景がある。

この辺りは『東京物語』のパロディかなと一瞬考えた。


・・・でも、彼らは何のために戦っているのだろう?

同じ家で暮らす人間=家族という当たり前の常識は覆り、完全に他者となっている。

しかしながら彼らが家から出たり逃げ出すという選択肢はないし、隣人がうるさいと怒鳴り込んでくるみたいな他者からの干渉もない。

エンディングはまるで死後の世界のようで奇妙な感じだった。

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