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北の果ての小さな村で(2017🇫🇷)

原題: UNE ANNÉE POLAIRE(2017、フランス、94分)
●脚本・撮影・監督:サミュエル・コラルデ
●出演:アンダース・ヴィーデゴー、アサー・ボアセン


グリーンランドの小さな村、チニツキラークへ教師としてやってきたデンマーク人の青年が体験する、異なる文化を持つ村での暮らしについて描いた半分ドキュメンタリー的な映画。

価値観の違いに戸惑いいらだちながらも徐々に慣れていく姿が描かれていて、特別大きなドラマは用意されていない。

グリーンランド語を覚える必要はなく、デンマーク語の教育という使命のみを与えられたという背景には社会的なテーマが見え隠れする。

しかしながら壮大なグリーンランドの光景を映す絵力が圧倒的に人間ドラマを凌駕してしまうので、「まあそのうちどうにかなるでしょ」ってな感じで青年の心情にさほど関心を持てなくなる。

アーセナルのシャツを着た少女とか、バルセロナのニット帽かぶった少年のこの何とも言えないリアリティを見て、以前テレビで放映されていた『世界ウルルン滞在記』の感じを思い出しながら鑑賞していた。

中盤で少年アサーの祖父の死と、別のシーンでは赤ちゃんの誕生が描かれる。

また、アザラシの解体を映しつつも、犬の出産も描かれる。

生まれる命と捕らえられる命。彼らの生活においては全てに意味があるということを言っているようだ。

でもやっぱりなんだかんだで、犬ぞりの犬たちがすごい!


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