子育てエッセイ : 子育てで1番大切なことは子育てを楽しむこと 夜泣き対策ドライブとアウトドアの夕ごはん

僕が住む長野県には塩尻峠という峠がある。
車で10分走るだけで、標高を200m近く上げることが出来る。
当然、夏は涼しい。
頂上には駐車場と売店と展望台があり、そこから、
八ヶ岳を背景にした美しい景色が広がる。
夜景も美しい。
この峠は、長女の夜泣き対策ドライブコースだった
今日、仕事でこの峠を越えた時、その時のことを思い出した。

長女が生まれて半年位経った頃から、長女の夜泣きが始まった。
僕の奥さんは、子どもは2人欲しい。そして2人の子どもが小学校に入学するまでは、子どもを育てることに専念したいから、専業主婦をさせて欲しいと言った。僕は奥さんの意見に賛成した。
保母さんをしていた奥さんは、結婚すると保母さんを辞め、育児に専念し始めた。元々子どもが大好きだったこともあり、毎日が楽しくて仕方がないみたいだった。
ところが、長女の夜泣きが始まり、毎晩深夜に長女に起こされることになり、さすがの僕の奥さんも
体力的にも精神的にも限界に来ていた。
僕は会社の帰り、あることを思いついた。

家に帰ると、僕は長女を連れてドライブに行こうと言った。長女が夜泣きする1番大きな原因は夏の暑さだと思っていたからだ。長女の夜泣きは7月に入ってから始まっていた。暑いとは言え、エアコンを一晩中かけていたら身体に悪い。
僕はそのことを奥さんに伝え、塩尻峠に行くと言った。奥さんは30分ほどで準備をした。

家から20分ほどで塩尻峠の登り口に着いた。
ここから約10分で標高を200m近く上げることが出来る。
塩尻峠を登り始めると直ぐに涼しくなり始めた。
車の窓から入って来る風も自然の風で心地よかった

半分ほど登ると
奥さん
「あなた、ユリカが眠り始めたから静かにしててねユリカ、自然の風が気持ち良さそう。」

頂上に着き、駐車場の隅の諏訪湖の夜景が見える所に車を停めた。
奥さん
「あなた、ユリカがぐっすり眠ってる。車のシートに眠らせてみる。」

車のシートに眠らせても長女は起きなかった。静かな吐息をたてながら、ぐっすりと眠っていた。

奥さん
「あなた、お腹が空いたでしょう、おにぎりを作って来たの、食べましょう。」
僕は奥さんが作ってくれたおにぎりを魔法瓶に入れて来た味噌汁と一緒に食べた。
夜景を見ながらの夕ごはんは美味しかった。
その日、長女は家に帰っても眠り続け、1度起きて少し泣いたが直ぐに眠りについた。
奥さんも僕も朝まで熟睡することが出来た。

それから毎日、僕は会社から帰ると夜泣き対策ドライブに出かけた。仕事の後で少し身体がキツかったが、朝まで熟睡出来る方が良かった。
次の日は、僕はアウトドア用の折りたたみ式のテーブルと椅子を2つ車に積んで出かけた。
その日の夕ごはんはカレーだった。
僕はテーブルの上にシングルバーナーを置き、
奥さんが作ったカレーを鍋のまま温めた。
そして、2人で夜景を見ながらカレーを食べた。

その次の日の夕ごはんは、ざる蕎麦と天ぷらだった
奥さんは作って来た蕎麦に水をかけてほぐし、器に盛った。そして、天ぷらを出した。天ざる蕎麦だ。
これも美味しかった。
この夜泣き対策ドライブの時、いろんな夕ごはんを食べた。材料を持って行ってチリコンカーンを作ったこともある。

夜泣き対策ドライブはお盆も行った。
その夜は諏訪湖の花火大会だった。僕と奥さんは
夕ごはんを食べながら、諏訪湖から打ち上がる花火を見ていた。
さすがにその時だけは花火の音で長女は目を冷ました。長女は奥さんに抱っこされて諏訪湖の花火を見ると、不思議そうな顔をして見ていた。そして、
嬉しいそうに微笑んで見始めた。そしてそのまま
また、ぐっすりと眠った。

夜泣き対策ドライブは8月の末まで続いた。
9月になると涼しくなったせいか、長女の夜泣きは収まった。

僕にとっても奥さんにとっても、この時のことは楽しい思い出となっている。
僕たち夫婦にとって、夜泣きは辛かった思い出ではない。
僕ま奥さんも、子育てで1番大切なことは、子育てを楽しむことだと思っている。





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