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黒羽カラス
2023年9月6日 14:26
放課後を迎えると予想した通り、前の方の席にいた奏が長い髪を弾ませてパタパタと走り出す。わたしの机の横で立ち止まると、あからさまなモジモジを始めた。ゆったりとした白いワンピースを着ていてもよくわかる。ふくよかな胸の揺れに男子達は、おー、という低い声を上げた。 わたしは心の中で遠慮ない溜息を吐いた。奏を無視して机に入れていた教科書とノートをカバンに収めていく。 その時、奏は小声で言った。「いじ