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ドラえもん博士への怪文書

幼少期の頃から『ドラえもん』が大好きです
特に小学館から発行されているてんとう虫コミックスを昔から愛読してきました
読むたびに発見があり、そして何度読んでも飽きのこない、しみじみと、じんわりと、読み減りをすることのない、感動の尽きない不朽の名作だといつも感じています
そして先日、noteでよくお邪魔させて頂いてる傘籤さんが、特定のテーマに沿ったドラえもんのアンソロジーを編むとしたら? という記事を書いて下さったもんですから、それはそれはもう大喜びで拝見しました

何せドラえもん博士(と自分は呼びたい)の傘籤さんなので、作品への知識と解釈そして愛情が深い記事なのです!

で、これは以前もやらかしたのですが
記事に対するコメントを書こうとすると、どうしても500文字の制限に引っ掛かってしまう、でもたくさん書きたい事がある、では自分の記事として書けばいいじゃんと書いてしまったのが、これです
ですのでこの記事は、傘籤さんのドラえもんアンソロジーの収録作品や選定へのこだわりなどへの感想及び、ただドラえもんの話がしてえっていう内容になっています
本来は先方のコメントらんに記入する内容を膨らませた文章なので、そこのところは大目にみて頂いた上で、お取り扱いくださいますよう、お願いいたします

傘籤博士、こんばんは🎓
ひっそりリクエストさせて頂きました、ドラえもんアンソロジー編集記事、こんなに早く拝見できるとは、嬉しいです!
ドラえもんって公式が出版しているアンソロジーも色々とありますが、今回の傘籤さん編の2集はどちらもこれまでにないテーマで、かつドラえもんの世界を掘り下げる内容にして下さっているの、凄くいいです! このアンソロジーが欲しいです
Spotifyのプレイリストを作るように、電子書籍版でアンソロジーを編集して装丁のデザインをして、オンデマンド印刷で紙媒体でも作れるサービスとか欲しいですね~ドラえもん出して~📚️

〉スネ吉が登場する話を集めたアンソロジー

分かります! いいですよね、スネ吉兄さん
いわゆるマニアやオタクとされる人々をその単語で定義される以前に作品に登場させてるのって、人物造形の匠さと人間観察の妙技を感じます

① おはなしバッジ(3巻)
ジャイアンのおばさんが一目でそれと分かる造形ですよね! ジャイアンのかあちゃんがねえさんって呼ばれてるのも新鮮です
ジャイアンがおはなしバッチの効果で三回も悪役の立ち回りをさせられるのも展開のテンポが良くて気持ちいいですし、バッチの効果がしっかり原作の昔話に忠実でありつつ安全な展開なのも好きです 幼稚園児向けのひみつ道具と紹介されたのも分かりますね

② ソノウソホント(4巻)
めったに登場しないジャイアンのお父さんが、この話では八百屋の店番みたいな場面にいたのが妙に好きです まだ設定が固まってなかったのかなと
オチの最後のコマひとつで、この話の最初の場面を回収するのが気持ちいいですし、パパが裸足のままなのも細かいですよね
ドラちゃんのシラケて見きれてる表情も味わい深いです
アンソロジーじゃないけど、ドラえもんのシラケ顔画像を集めた日めくりカレンダーとか欲しいな~

③ 空とぶさかな(7巻)
ひとコマだけのスネ夫のおじさんも、一目で血縁者と分かりますね 甥っ子の妙な頼みをちゃんと聞いてくれるところに、スネちゃまの可愛がられぶりも感じます
そして登場する魚がモノクロの漫画だけど、色とりどりであることが伝わるし、図鑑並みの描き込みがされているのも素晴らしいですね

④ ラジコン大海戦(14巻)
まさに名作です! この当時の20世紀の技術の中で、22世紀のロボットとひみつ道具に勇猛果敢に挑むスネ吉兄さん、自身の開発した軍備をこれでもかと繰り出すさまに感動します あのレベルのラジコンを設計して操縦も出来るのって、凄腕すぎません?
そしてボートが轟沈した後のあのセリフ、軍拡競争はエスカレートしてお互いを滅ぼす原因になるのだと戒めてもいる…軍事力ってものにのめり込んでしまう人の性の風刺でもある作品ですね、好きです

⑤ オールシーズンバッチ(16巻)
スネ夫のパパもジャイアンやしずかちゃんの家と同じく、なかなか登場しませんよね でも一目でスネ夫パパと分かるしジャイアンの家もそうです
でも余談ですが、しずかちゃんのパパってデザインの揺らぎが大きいのが昔から気になってました 名言持ちのパパなのに

⑥ ドライブはそうじ機に乗って(18巻)
⑦ 海に入らず海底を散歩する方法(19巻)
「ラジコン大海戦」の時はビートルっぽい車に乗っていたスネ吉兄さんが別の車に乗っているのもいいですね きっと車も複数お持ちなんでしょうね
そして船舶免許まで持ってる兄さんすごい、しかも甥っ子の友だちも引率してあげてるから、のび太への意地悪は置いといて人徳者ですね

⑧ しつけキャンディー(22巻)
スネ夫のおばあちゃんのデザインっていいですよね! カラムーチョのおばあちゃんみたいだし、しっかり骨川家の血脈も感じるお顔だちです
さりげなく、耳が遠いことを示す動作や猫背でちんまりと座布団に腰かけているところ、可愛らしいです
ドラえもんがおばあちゃんを大事にさせるために立ち上がるところも、ちょっと珍しくて好きです 

⑨ 大ピンチ!スネ夫の答案(28巻)
この話は好きすぎるので、傘籤博士アンソロに収録して下さって嬉しいです! ジャイアンとのび太の結託に、知名度の低いニッチなひみつ道具ばかり登場する展開、オチが爆発ネタというのも類を見ません
異色作、そして傑作です!
ラストのコマのドラちゃんの後ろ姿がかっこいいし、それがまた笑いを呼ぶ、素晴らしいオチでしたね 泣けてしまう程に!

⑩ ペタンコアイロン(29巻)
ジャイアンのいとこが髪型も相まって某ハリウッド俳優みたいでなかなかおしゃれですね 女の子とデートもできるあたり、いざという時の外面がよいのだろうな~と思います
あとこの話、スネちゃまが剛田一族に凄く振り回されていて、引っ越しも付き合ってあげててお人好しですね

⑪ 超リアル・ジオラマ作戦(32巻)
いつかの「いいや! 2ページほどやる!」の、のびちゃんパパのお説教並みに、ここのスネ吉兄さんの講義は熱いですね
スネ吉兄さんの「「三感」というのを教えたはずだ」への「え~と、質感に、距離感に、立体感でしょ。」というスネ夫の返しがまた、良いんですよね いい生徒なんだなとじわじわきます
その前のページでドラえもんが「プラモなんて、すきなように 楽しんでつくれば、それでいいんじゃないの。」って趣味に対する求道の姿勢にも、多様性があっていいじゃん、という視点もちゃんと示されてるところも好きです

⑫ ジャイアン反省・のび太はめいわく(36巻)
こんな人徳者のおじ上がいたとはびっくりしますが、のび太と同じようにジャイアンも憧れたものに影響をすぐうけるんだな! という面白みがありますね

⑬ スネ夫は理想のお兄さん(40巻)
スネツグ可愛いですよね! ドラえもんプラスの方のコミックではちょっと出番がありますが、もっと出てきて欲しいです 何より普段のスネ夫とは違う、ちゃんとしたお兄ちゃんの姿が(見栄は張ってるけど)すごく応援したくなります
ジャイアンのジャイ子に対する想いも、のび太が昔の自分を連れてきてお兄ちゃんみたいに遊んであげる話もいいですよね

〉続いて選んだテーマは「恋愛」
〉「赤いくつの女の子」は恋愛とはまた違うエモーショナルを描いたお話だと思ったのでアンソロジー収録は見送った。

なるほど! 分かります
ノンちゃんとのお話は、恋愛というよりは幼い頃の過ちと後悔を描いた話でしたもんね
冒頭の片付けシーンが回収される小気味良さもあっていいですね
自分は恋愛テーマだとしたら『白ゆりのような女の子』が入るかなあと思ったのですが、こちらも近い理由で選外なのですかね
(それかあの作品は、『戦争の記憶と反戦』のテーマでも良いのかも)

① ああ、好き、好き、好き!(3巻)
そう言えばこの話は、のび太が一目惚れした女の子とお近づきになりたいってのが発端でしたね
何せぼた子さんのインパクトが強くて、彼女はあれからどうなったんやろ…と気になってたまらないのです
「すごおく うまいおかし、つくってやるからな。」
と言いつつ、作ってるのは野菜の天ぷらみたいなオチのコマ、たまりません
のび太の先生もいい味出してました!
そう言えば、この話ではのび太は弓矢が下手ですよね さしもの射撃の天才も、銃じゃないと上手くないんですね

② 好きでたまらニャい(7巻)
恋煩いのドラえもんの奇行と変顔がいいですよね
おかしくなっちゃったドラえもんからしか得られない栄養ってあります
あと、のび太のアドバイスがわりとちゃんとしてんのと、そのシーン(かつおぶしを投げてるところ)で、変顔してるのも好きです 子供の頃はなんでこんな顔なんだろうと疑問だったのですが、きっとかっこつけておどけてるんですね

③ ガールフレンドカタログ(18巻)
ジャイアンとスネ夫ののび太への説教がグウの音も出ない内容で、さすがだ! と感嘆します
にしてもこのひみつ道具おかしくないですかね
すごい隙間ひみつ道具なのに「だけどなんに使うの?」ってドラちゃんが聞くのは何でだろう

④ 虹谷ユメ子さん(24巻)
虹谷ユメ子さんの意外な正体が面白い話で、すごく現代に通じる側面もありますよね
虹谷さんが『エスパー魔美』の登場人物っぽいところもいいです
もはん手紙ペンと先取りポストという、既出のひみつ道具の組み合わせがテクニカルだったところも唸るおもしろさですね! ゴロゴロ言いながら丸くなるドラちゃんに、座布団を差し入れしたいです

⑤ 恋するドラえもん(27巻)
ドラえもんものび太も、わりと色んな相手に恋をしますよね…いえ、いいけど
このお話は、個人的な思い入れを感じます
猫が安全なおうちの中よりも、自由な表で暮らすほうが幸せという価値観があった時代の話で、自分もかつてはそう思っていたので
あの白くてフワフワな子の飼い主さんはどうなったろうか、発狂してないだろうか、と案じられてならぬ部分もありますし、それはそうとドラちゃんのメタ表現のセリフが大好きです

⑥ グンニャリジャイアン(29巻)
心の友の安売りというパワーワード素晴らしいです!
スネ夫のやり口も確かに巧みでしたね(正直なところ、スネ夫の方がはっきりモテそうなのも含めて)
あと、ジャイアンなりの優しい笑顔がすごい好きですね! あのフィギュアが欲しいです

⑦ 友だちの輪(38巻)
神成さん大活躍回ですね! オチがほんと好きです
子どもの頃にこれを読んで、何かに目覚めていたかも知れないくらいです

⑧ 恋するジャイアン(44巻)
大ベンジーと小ベンジー! そうか、大こきでんと小こきでんの萌芽はここだったんですね(類推)
大ベンジーならぬムクが、珍しいこともあるもんだと天気を気にするポーズが賢すぎて好きです

他にも様々なアンソロジー企画まで挙げて下さっていてワクワクしました

〉のび太はあらゆる生き物(および自然そのもの)から愛される傾向にあるので、それだけでもひとつ傑作選ができそうだ。

分かります~フー子にキー坊、そして雪の精と裏山の精ですよね
この傑作選、是非とも読みたいです!

〉ジャイアンリサイタル、ジャイアンシチュー、ジャイアンズの特訓へ強制参加といった「ジャイアン横暴だよ」

ジャイアンの横暴話で特に個人的に好きなのは『ジャイアンへのホットなレター』ですね! ジャイアンがドラえもんのひみつ道具になかなか詳しいので「やりづらいよ」って、のびドラがブツブツ言うの最高です

〉人形やぬいぐるみにまつわる話

こちらはやはり、ぬいぐるみ好きのしずちゃんにぬいぐるみを作ってプレゼントする『なんでもぬいぐるみに』をぜひお願いいたします!
話もオチもいいし、途中のものつくりパートの楽しさもいいですよね、トースターで焼くとチーンという音と共にふかふかのぬいぐるみが出来上がるってシーンに、とても憧れてました
タイトルの絵もいいんですよね! ドラのびがぬいぐるみになっててほっこりです

あと、傘籤さんの挙げて下さったプラン以外で自分がアンソロやるとしたら
“漫画そのもの”をテーマにした選出でしょうか
フニャ夫フニャ子先生の騒動や、週刊のび太の発行、そして忘れちゃいけないジャイ子のまんが道の軌跡をまとめたアンソロなんか、どうでしょうか?

さて、長々とドラえもん好きの怪文書にしてしまってすいません、お読み頂けたなら嬉しいです!
ドラえもん、またまたどんどん、何度でも、読み返したいですね!

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