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好きだった男のタトゥー

好きだった人のお気に入りの音楽

好きだった人の好きな料理

好きだった人の行きつけのカフェ

好きだった人のつけていた香水



好きな人の好きなものを好きになりたい。

好きを共有していたい。




「その音楽よく知ってるね?」

『友達がよくドライブで流してて。』


なんて嘘で、友達が聴いていたくらいじゃ、それまで全く興味のなかったジャンルの音楽なんて聞き出さない。


共通の話題が欲しくて、
興味を持って知ろうとして、

いつの間にか本当にそれが好きになる。



きっとこれからもずっと、
好きだった人の好きなものが好き。


そうして、

私の中に好きだった男のタトゥーが増えていく。

もう決して簡単には私から引き離せなくなって、それが私になって、それで形成されていくの。

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