散歩とメダカちゃん

相変わらず休職している。
この夏休職されていた方は、「リハビリには散歩や軽い運動」「太陽光を浴びてセロトニンを出しましょう」という言葉をどう受け止めていたのかと思う。
わたしは自分にできないことが途方もなく思えて辛かった。

暑さに弱いわたしは、駅から離れた場所に住んでいるため、夏本番を迎えて以降、散歩をするといえば、夫に連れられて夜近所のスーパーまでとか、自転車で銭湯とか、そんなことしかできなかった。
「お散歩もできないわたし」を責めるわたしも常にいたと思う。家でできることも少ない。苦しい夏だった。

三連休からの涼しさには歓喜した、が、最終日ははテンションがあがりすぎて8キロ歩いてしまい、帰ってから体から大クレームが来た。左目の下の痙攣がはじまったのだ。疲れるとたまに出るやつだ…無理をさせてごめん、と体に何度伝えてもホットアイマスクをしても、寝てもだめだった。

昨日は寒すぎて中々起き上がれず9時過ぎにのそりと起き出して、夫に勧められようやく散歩に出た。

イヤホンをして歩き始めたら自然と足が大きな公園を向いた。日も差してきた。緑がまだ夏の色をしている。
落ち着ける場所で瞑想をし、ぐるぐる歩き回り、帰り道のパン屋でお昼を買った。思った以上の行列で途中、予期不安に襲われたが、昨日図書館で借りてきた「パニぬけ」という本の呼吸法がてきめん効き無事に帰ってこれた。呼吸法ってすごい。

散歩、できた。
約4,5キロ。
達成感と昼寝ができそうな軽い疲労感がある。

帰って夫とパンを食べた。
並んだ分もあっておいしかった。
思えば、朝昼どちらも食べるのも久しぶりだった。

夕方ごろに1日続いた左目の下の痙攣は止まっていた。夫はこの痙攣を「メダカちゃん」と呼び、可愛いからずっといてもいいと言ってくれていた。わたしは御免だが自分に対してそういう考え方を持てたら楽なんだろうなと思った。

涼しくなったら、涼しくなったらとずっと思っていた。秋が来て嬉しい。
今日も散歩ができた。明日もできるかもしれない。
少しずつしかできないけれど、それでいいと自分に言ってあげたい。



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