見出し画像

娘から見た父親像

父親にとってこの世の中はとても生きづらく
でも自分が自分らしく生きる道を追求した人生だったと思います(まだ生きてる)

現在古希手前の父親が生きてきた社会は
男性はサラリーマン街道をいくのが普通
そのレールからはみ出る人は社会不適合者

女性の社会進出が見られ始めたものの
家事・子育ては主に女性に任せて
自分は面舵いっぱい仕事に向かう

一言でいうと"パワー"に象徴される男性像

それが"正しい"男性の姿

"多様性"も"ADHD"も
今ほど認知されておらず

サラリーマン街道を大勢と足並み揃えて歩けない人はどれほどか生きづらかっただろう

父親は(自分でも言ってるけど)
ADHDに近い性質の持ち主で
恐らく注意欠陥気味だったと思う

出しっぱなし、やりっ放し
頼んだことを忘れてしまう
質問しておいて答えに興味がなく聞いていない
そしてまた同じ質問をする

それでいて(今思い返してみると)母親に対して
モラハラ気味だった
「駄目だね〜できないんだね〜」

TVを見ていてもこいつはこうだああだ
常に人を自分のものさしではかって見下して

恐らく無意識で悪気はないけど
マイナスの言葉がけが印象に残ってる

子供の私が信頼して心を開ける相手ではなかった



自分を理解して欲しい
受け入れて欲しい
否定せずに話を聞いて欲しい

一方的に自分の話だけする父親に
フラストレーションは溜まる一方

こちらの話はまるで聞かない
(聞くていはとるが、答えは決まっている)
それなのに父親の要求は
一般家庭とは違う一癖二癖あるこの家族を
受け入れ協力することだった

遊びに行く時は必ず責められた
ただ好きな事をする時も
楽しむこと自体が悪いことのように
心の中に罪悪感を持っていた

父親の気分を害すと
不利益な事だらけだったので
我慢して気を遣い都合の良い子供でいた

感情的でブチ切れやすく
非常に面倒臭い父親
一時期は大嫌いだった
恐らくこんな人は外でも嫌われる
なぜ母親はこんな男と結婚したのか



そう思いながらも
父親は自分自身のどうにもならない性質と
懸命に闘い誇りを保ち
本当は人間が好きで深い関わりを求めてて
上手くいかない自分を何度も受容して
励まして立て直して

そうやって生きてきたことが想像できてきて


子供として不利益をたくさん被ってきた
そのせいで私自身生きづらさを感じる
自己肯定感が低くて自信がない
短絡的で感情的で楽観的で
嫌になってばかり


でも大人になって子供を産んで
孫を可愛がる姿を見ると
何だか純粋で正直で
本当に下手くそなだけなんだなって

ストレスフルな家庭で
拠り所でも何でもなくて辛いだけの家だったけど
今なら仕方ないなって思うのです

父親譲りで私も大概人が良いのです
この私の中の受容の根底には
きっと今の私の子供を可愛がるように
昔の私も可愛がってくれていただろう
大好きな頃の父親があるのだろう


聡い子供だったので
恐らく大人を小バカにして生意気な態度の子供だったと思う
だけとそれも教育でそんな風に育てたのはあなたたちでしょう?
なんて本気で思っていたけど

子育てをしている今ならわかる
誰にも正解なんて分からない
全ては結果論で
どんなに下手くそでも
父親は父親なりに考えて思って愛して
一生懸命やってくれていた



だから今思うことは
本当にありがとうね
ありがとう

お前にそんな言い方されたくないってまた怒ると思うけど

頑張ったじゃん!
本当に偉いよ!

きっと誰にも真似できない
あなたのアイデンティティを私は丸ごと受け入れます

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?