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JRの駅名しりとりでサイコロの旅 ~番外編:野辺山の旅

これまでのあらすじ

新宿→倉橋→下菅谷→矢板→高崎→北与野(→野崎)

前回の記事で、北与野の次の駅の候補として小海線の野辺山駅が登場し、にわかに色めき立った自分。引けることを願ったが、届かず。よりによって新宿から3駅目に行った「矢板駅」の隣駅である野崎駅を引いたところで自分の中の「何か」が切れ、そこで企画終了となった。

…しかし、諦めきれなかった。

折よく、5月の中旬に軽井沢で行われるハーフマラソン大会に参加する予定だった自分。

よし、軽井沢に向かうついでに、野辺山駅へ寄ってみよう。ということで、前日の朝より行動を開始した。

野崎駅はどうなった

2024年5月18日(土)7:10 新宿駅

おはようございます。

JR東日本+周辺私鉄で週末に使える「週末パス」を手に新宿駅に来た。
特急代をケチったのでここから普通列車でのんびりと移動開始。

ちなみに写真の色がなんかレトロっぽいのはカメラのホワイトバランスを直し忘れたからですw うまく補正できねぇ。

7:21発の中央特快で高尾まで移動し、そこから甲府行きに乗り換え。登山に行くと思われる乗客に囲まれながら山間部へ入っていく。

鳥沢駅を過ぎたところ。高い橋梁の上を走る。中央本線のお気に入りスポットの一つ。
こちらは勝沼ぶどう郷駅周辺。甲府盆地を見下ろす。
手前はブドウ畑、遠くには南アルプス。

甲府駅でさらに松本行きに乗り換え。

長野色。信州の自然に良く似合う、個人的にとても好きな色。
今回乗るエリアは山梨県内だけどね。
日野春駅周辺。遠くに見えるのは甲斐駒ヶ岳かな?

この日は天気がいい上に空気も澄んでおり、新緑や山々の稜線がいつも以上に色鮮やかに見えた。この時期に来て正解だった。

やがて右側に雄大な八ヶ岳が見えてきた。

田植えを待つ田んぼのリフレクションと共に。この時期ならでは。

小淵沢駅

10:44、ようやく小海線との乗り換え駅である小淵沢駅に到着。

新宿からおよそ3時間半の乗車。長かったなー。

小海線の列車が出発するまでには時間があるので、一旦改札を出てみる。駅舎の屋上に展望台があるらしい。

5月の心地よい風を感じる。手前には小海線の車両。
南側。遠くに富士山が。
今日のパノラマ。ほぼ360°。加工が雑なところもありますがご了承くださいw

こうやって見ると、小淵沢、本当に山に囲まれてるなぁ。特に南側の標高1500mを超える山々が目前に迫っているのはなかなかの迫力だ。

小海線へ

ひとしきり山を堪能したところで、小海線のホームに向かうことにする。

発車案内。

11:22発の臨時列車「八ヶ岳高原列車3号」に乗車する。程よく野辺山行き。

小海線の駅名標。八ヶ岳と星空をモチーフにしたものになっている。
ログハウス風の弁当売り場が営業していた。
だそうです。

せっかくなので駅弁を買って、列車の到着を待つ。食べるのは車内に入るまで我慢…

やってきた。JR東日本の雄、キハ110系。

…ん?

111-111!

2両編成用のキハ111形には101から始まる3桁の車両番号が付けられている。どこかに111号車はあるはずだ、と思ったのだが、小海線にあったのか。臨時列車ということで、敢えてこの車両を充てたのかな。
しかし、111-111、パッと見は何かの穴のように見えるなw

八ヶ岳高原列車の旅

11:22、八ヶ岳高原列車3号は野辺山駅に向けて出発した。

早速大きなヘアピンカーブを曲がる。

人が集まってるな、と思ったら、ちょうど田植えを行っているようだった。

手を振ってもらってた。なごむ光景。

カーブを曲がると、早速緑のトンネルに突入。

新緑の鮮やかさが目にしみる。
緑のトンネルの中を駆け抜ける。

あれ、客いない?と思うかもしれないけど、たまたま画角上にいないだけで、右側の2人掛けボックス席とか左側には客がいますのでご安心を。

車両はディーゼルエンジンをふかしながら、上り坂をぐいぐい登っていく。このあたりの標高1000mくらいになると、周辺の住宅もどこか洒落た作りのように見えてくる。別荘?そんなことはないか。

木漏れ日を車内で浴びながら、先ほど買った駅弁をいただくことにする。小淵沢駅の売店では、駅のすぐそばに本社がある「丸政」という会社が作った駅弁が売られていた。

山梨県の会社だが、信州ゆかりの駅弁も作っているようで、自分が買った「信州名物山賊焼弁当」もその一つ。しかし、この山賊焼きがとにかく分厚くてでかい。駅弁なら野辺山駅までの間に余裕で食べきれると思いきや、景色そっちのけで食べるのに集中せざるを得なかった。量的な意味でのコスパは全国随一ではないだろうか。

JR最高!(標高的な意味で)

さて、ようやくの思いで駅弁を食べ終え、緑のトンネルを抜けた途端、「それ」は姿を現した。

「JR 鉄道最高地点」の碑。

その標高、実に1375m。スカイツリー2個分よりさらに高い(?

次の駅が目的の野辺山駅。駅に着いてからの行動を特に決めていなかったが、せっかくなのでここに戻って来よう、と決めた。

一気に景色が開ける。八ヶ岳連峰を横目に進む。

…駅まで2kmくらい離れてるとは思わなんだがw

野辺山駅に到着。

JR最高地点から30mほど下り、野辺山駅の標高は1345.67m。
…cm単位は本当にそうなのか気になるところではあるw

外観。高原の駅らしい、どこか可愛らしい造り。
駅前にも「いかにも」な佇まいの売店が。ただ、営業していないようだった。。。

駅を出ると、吹く風が明らかに涼しいことに気づく。100mで気温が0.6℃下がるということで、標高0mの自宅周辺とは実に8℃もの差がある計算になる。実際に着いた時間帯の気温は20℃くらいだったようで、とても快適。こういうところで暮らしたいなぁ…冬は寒そうだけど。

駅前には公園があるようだ。ちょっと寄ってみる。

SLが静態保存されていた。C56 96。
由緒。客車を連結してホテルとして使われていたらしい。

SLの客車を使ったホテル。魅力的だ。国内にいくつかあったようだが、老朽化等で現在はすべて閉業してしまっているとのこと。

駅前の案内板。

JR最高地点に歩いて向かうことにする。
※駅横の観光案内所でレンタサイクルが借りられるので、無理に歩く必要はないです。

翌日行われるウルトラマラソンの案内が立っていた。100kmか…(遠い目
日差しは強いが、心地よい高原の風を感じながら歩く。
道端には菜の花が咲き誇る。

いいねぇ。高原の春、って感じ。
しかしこの菜の花、どこか小さいな…と、スマホから画像検索してみると

こんなん出ました。

ハルザキヤマガラシ 。要注意外来生物らしい。えー、春らしい景色だと思ったんだけどなぁ…

線路越しに電波望遠鏡が見えた。
手前の白いのは雪景色ではなく、白い覆いがかけられたレタス畑。
小海線の車両が通り過ぎて行った。緑の中を走り抜けていく緑の車体。

写真をちょいちょい撮りながら歩くこと20分弱。

JR鉄道最高地点に到着!
手前にはC56 26の動輪。やはり小海線で走っていた車両とのこと。

右側に見切れている鳥居は「鉄道神社」のものだ。

絵馬の奉納所もあって、なかなかしっかりしてる。
ご神体はレールと鉄輪。

車輪のように夫婦仲睦まじく、という願いが込められているらしい。こちとらあいにくお一人様だが、共に歩める人とのご縁があるように、と祈った。

JR鉄道最高地点は踏切になっている。

小淵沢方面は明らかに下り坂。
野辺山方面は分かりづらいけど、緩やかに下がっている…と思う。
列車が通り過ぎる。
最高地点をまたいだ列車が「へ」の字になっているような、なっていないような?
踏切を挟んで反対側にも碑があった。石造りの立派なもの。

ちなみに「JR」と強調されているのが気になったが、日本の鉄道最高地点はここではないらしい。法律上の「鉄道」としての最高地点は2450m。立山黒部アルペンルートの一部、立山トンネルトロリーバスの室堂駅が最高地点とのこと。

ただし立山トンネルトロリーバスは間もなくラストランを迎える。その後も鉄道として扱われるのだろうか?

「最高地点」で昼食を

さて、最初に小海線から「鉄道最高地点の碑」を見た時、後ろに何か建物があることに気づいた。

とんがり屋根の山小屋風の建物がある。

何かな?と思っていたのだが、レストランだったようだ。その名も「和風レストラン 最高地点」。

道路沿いに大きな看板が立っている。

さっき駅弁を食べたばかりだが、蕎麦ならきっと行ける。店に入ってみることにした。…しかし、店が国道沿いに立っていることもあり、JR最高地点に訪れた観光客に加え、バイクツーリング客からも人気の店のようだ。さらに翌日のウルトラマラソンのために前日入りした人達も加わり、昼飯時からは少しずれたタイミングではあったものの、かなり待たされることになった。まぁ急ぐ旅でもないし、問題はない。

待っている間に店の看板を見上げる。完全に山小屋。
しかし暖簾が掛けてある。和風。

30分ほど待って、ようやく中に入れた。店内も山小屋を意識した内装。くしくも隣の客は登山帰りだったようだ。

こういうの、懐かしいねぇ。昭和から変わらない趣がある。

野菜天そばをオーダー。ソースカツ丼とかも気になったけど、さすがに入らないw

ほどなく到着。
手打ち蕎麦と、
野菜天ぷら。

蕎麦の風味が口いっぱいに広がる。信州の手打ちそば、うまいねぇ。
揚げたての天ぷらもサクサクでおいしい。野菜天ぷらの中に山菜が入ってくるのも信州ならではなのかな。…山菜?うん、一番手前の緑色のやつ。大葉ではなかった気がする(自信なし

予想通り、スルリと完食して外に出た。

気になるな。

買った。

食べてみると、ミルクの濃厚さが際立つ。めっちゃうまい。駅弁にそばにソフトクリームと、さすがに食べすぎかなぁと思ったけど、これは食べた甲斐があった。食べた分は明日のマラソン大会で消費すればよし(投げやり

それでも申し訳程度に駅まで歩く。

電波望遠鏡の向きが変わっていた。

動いてるんだ!と俄然興味が出てきたが、あいにく小海線沿いの道路からだと微妙にアクセスが悪いので断念。「レストラン最高地点」から直行で向かった方が行きやすかったかもなぁ。

駅に戻ってきた。牧草ロール製の牛がお出迎え。

待合室で列車を待つ。ドカ食いの反動か、それとも通り抜ける風の心地よさか、しっかり寝落ちしてしまい、あやうく乗り損ねるところだったw

ウルトラマラソンに参加すると思われる多くの乗客と入れ違いで車両に乗り込み、北へ向かう自分なのでした。

【おまけ】小諸にて

小海線の終点、小諸駅に到着。
E200系気動車。世界初のハイブリッド式鉄道車両とのこと。
レトロなお迎え看板。
外にでました。

今日の宿は小諸に取っていた。本当は軽井沢近辺が良かったけど、マラソン大会のエントリー時点で既に宿は埋まっていた。まぁ、軽井沢までしなの鉄道で1本で行ければいいか、くらいの軽い感覚で小諸に決めた。

ところが。

お?
おお?

あれ…なんかいいな、小諸。

時間の都合で入れなかったのだが、小諸城址の庭園「懐古園」をはじめ、小諸には歴史を感じる建物が随所にある。今日の宿がある本町エリアも、北国街道の宿場町として栄えた当時の雰囲気を残しており、また趣深い。

夕食もそばをいただきました。歴史ある土蔵を使った建物。
くるみ入りのそばつゆでいただくのが信州流。
外は黄昏時。
いい…
めっちゃいい…(語彙力

これは改めて小諸に来ないといけないな、と強く思った。サイコロの旅だと移動がメインになっちゃうから、腰を据えて、観光目的で。

同じように雰囲気に惹かれた人が多いのか、小諸はアニメの「聖地」としても有名になりつつあるようだ。

アニメファン向けのサイクルイベントもあったり。

参加してみようかな…

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