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自分が大切にしている軸を知り、キャリアをデザインする

こんにちは。りんです。
今年はいつも以上に師走の無慈悲なほどのスピードを実感している私ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

先日、GMO Developers Day 2023にて「GMOデザイナーのリアル:自分らしいキャリアをデザインするには」というテーマのトークセッションで自身のキャリアについてお話をさせていただきました。
(2023/12/13までアーカイブ配信中なので、ぜひご視聴ください!)

他の登壇者との事前打ち合わせを通じてトークセッションの内容を詰めていく中で、これまでの自分のキャリアを振り返りました。私のキャリアは計画的に進んできたわけではありませんが、何かしらの変化に関わる決断をするときには自分なりの共通の軸があったことに気づきました。
今回は、自身のキャリアにおいて発見した共通点や洞察を共有することで、誰かのキャリアの方向性を見つける手助けとなればと思い、まとめてみました。

これまでのキャリア

はじめに、私がこれまで歩んできたキャリアは以下のような感じです。

  1. 制作会社でクライアントワークを中心としたWebサイトや印刷物のデザイナー

  2. 大手企業のWebサイト運営に関わる派遣コーダー

  3. 契約社員のWebディレクター

  4. 事業会社のWebデザイナー(現職)

私のキャリアの半分以上は、現職のGMOペパボ株式会社での経験になるので、そちらを中心にお話します。

ペパボに入社してから現在まで

私は2011年にペパボに中途デザイナーとして入社しました。
入社時はECモールサービスの特集ページやバナーなどのグラフィック、会員機能のUIなどの表層のデザインを担当していました。
当時は今以上に新規サービスや企画の立ち上げが活発だったため、様々なプロジェクトに関わらせてもらいました。

経験を積んでいくうちに「もっとこうしたい」「もっとこんなことができるようになりたい」と感じることが増え、それを実現するにはどうすれば良いかを考えるようになりました。(この頃は連日飲み会に参加していて、部署や役職や職種を超えて仕事の話ばかりしていたので、色々な刺激を受けていたというのもありそう)

上流工程に関わるには、まずは「この人になら任せても大丈夫だろう」と思ってもらう必要があると考え、自らの領域を広げていくことから始めました。取り組んだことについては当時のメモが残っていたので転載します。

依頼や課題を適切に理解し、ニーズを満たし期待を超えたデザインができる
スピーディにデザインを作ることができる
私ができることをみんなに知ってもらう

以上のことを意識しながら様々な仕事に率先して関わり、少しずつデザインディレクションやプロダクトマネジメントなど施策の旗を振る裁量が与えられるようになりました。
自分のできることが少しずつ増えていくことにやりがいを感じていた一方で、周囲からは「それはデザイナーの仕事じゃないよね」「りんさんってデザイナーだったんですか?」と疑問を持たれることもあり、自分としてはどの仕事もデザイナーとして取り組んでいるつもりだったので、周囲の認識とのギャップに悩んだ時期もありました。ですが、今ではすべて自分のキャリアにとって必要な経験だったと感じています。

現在はEC事業部のシニアデザインリードとして、デザイン組織づくり、コンテンツやプロダクト戦略の設計・実行、ユーザーに一貫したブランド体験を提供するための仕組みづくりなどを行っています。

いくつかのターニングポイント

1. プロダクトマネジメント

「速く行くならひとりで、遠くに行くならみんなで」という諺がありますが、ユーザーにより大きな価値を届けたいなら、自分1人だけの能力で実現しようとするのではなく、優秀な仲間が集まったチームで作ったほうが価値を最大化できると考えています。

もともと自らが手を動かしてものづくりをすることが好きだったのですが、色んな領域の方と関わって仕事をする中で、自分のモチベーションは、自身の専門性を伸ばしていくことよりも、チームの総合力で成果を出すことにあると気づきました。

また、チームが進む方向性を示す上でデザイン思考が大いに活用できると考え、全くの未経験でしたが大規模リニューアルのプロダクトマネージャーに挑戦させてもらいました。
本っっっ当にわからないことだらけで大変でしたが、チームメンバーや周囲のサポートのおかげで何とかやり切ることができました。(感謝…)

ここで気づけたことは、プロダクトは作るだけでは使ってもらえないということ。(当たり前すぎるけど、作ることからデザインを学び始めた私はその視点が抜けがちだった)
モメンタムを生む仕組みづくり、コミュニケーション設計、マーケティングなど、様々なことを総合的に考えることの重要性を改めて認識することができたのが一番大きな収穫でした。
このときに得た視点は、現在デザインリードとして色んな領域や職種の方と関わる上で役立っています。

2. サブマネージャーとシニアデザイナーの兼任

ここで、少しペパボのデザイナーのキャリアパスについて紹介します。
現在、デザイナーのキャリアパスとして以下の2種類があります。

  • スペシャリストライン

    • 高い専門性を持つデザイナーは、スペシャリストとしてキャリアを築いていくことができます。段階としては、シニアデザイナー→プリンシパルデザイナーとなります。

  • マネジメントライン

    • デザイナーとしての専門性をより組織力向上に活かしたい場合、デザインマネージャーとしてキャリアを築いていくことができます。段階としては、デザインリード→シニアデザインリードとなります。

デザイナー職のマネジメントラインはここ数年で生まれたキャリアパスで、それまでのデザイナーはスペシャリストを目指すか、ビジネス職のサブマネージャー→マネージャーを目指すかのいずれかでした。
基本的には「いずれか」だったのですが、私の場合はサブマネージャーに任命いただいたタイミングでシニアデザイナーに立候補(※)したため、両方を兼任することとなりました。
(※スペシャリストラインは自ら立候補し、資料提出&面談を経て承認される必要がある)

兼任は前例がなく、デザインで成果を出すことに責任を持つこと、チームマネジメントをしながら事業成長に責任を持つことは、それまで以上の視座と覚悟が必要でしたが、自身の領域を広げるにはうってつけだなと考えチャレンジしていました。(赤魔道士的な…)

おかげで事業の上流から関わることができ、デザインを広く活用する働きかけや共通認識を築くことができたように感じています。
この後デザイナーのマネジメントラインが作られ、兼任の実績からデザインリードを任せていただけることになりました。

ペパボのデザイナーのキャリアについて、詳しく以下資料をご覧ください。


3. 出産と育児

私には2人の息子がいます。
子どもの出産は人生の大きなターニングポイントでもあり、その先のキャリアを考える機会ともなりました。
正直、育児をしながら今まで通り働けるかとても不安でした。
ですが、社内の先輩ママ・パパたちが活躍しているのを見ていたし、色々と相談に乗っていただくことができたので、不安は早々に払拭することができました。(保活攻略セミナーまで開いてくれてありがたかった…)

とはいえ、子どもが小さいうちはどうしても育児のために時間が限られます。そこで、自分がやるべきこと、注力すべきことを明確にし、やること/やらないことの取捨選択をすることにしました。部長やCDOとこまめに脳内同期し、インプット量を増やし判断を早くすることを心がけています。

仕事と育児の両立はイレギュラーなことが起こると本当にテンヤワンヤしますが、ひとつずつクリアしながらレベルアップしていけているような気がしています。(多分)

自分らしいキャリアをデザインするには

私がキャリアに関する決断をするときに大切にしていた軸は、デザイナーとして「もっとこうしたい」を実現するために領域を広げ経験を積んでいくことでした。そのようにして経験やスキルを積み重ねた結果が、今の自分の自信やキャリアに繋がっていると実感しています。
(キレイにまとめましたが、実際にはたくさん失敗もしていて上手くいかないことも多々ありますが、それも含めて今があるな〜と思ってます!)

私はデザイナーの強みはものづくりだけでなく、その思考やコミュニケーションであらゆる物事や領域を繋ぐことができる能力だと考えています。近年、デザイナーが関わる領域がどんどん広がっていますが、デザインリーダーと呼ばれるみなさんは臆せず越境し続けている方が多いように感じます。
私も領域を限定せず、これからも楽しみながら越境していきたいです。

今回、GMO Developers Day 2023の登壇を通じて他の方のキャリアも聞くことでき、そのおかげで自分のキャリアを客観視することができました。自分の軸がどこにあったのかを知る良い機会となりました。
ぜひ他の方のキャリアやその中で大切にされていることも聞いてみたいので、今後イベントなどでお会いした方とぜひお話したいです!
最後までお読みいただきありがとうございました 😊


この記事は GMOペパボデザイナー Advent Calendar 2023 の7日目の記事(完全に遅刻)でした。ぜひ他のデザイナーの記事もご覧ください🎄🎅


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