見出し画像

アメリカ人と日本人、恥ずかしがるところが違う

わたしはアメリカ人と結婚して、アメリカに住んでいます。

移民の国・アメリカは、異なるバックグラウンドを持つ人々が集まった国なので、「アメリカ人は…」と一括りにして語りづらい難しさがあります。

例えば、食生活を語るにしても、ルーツがヨーロッパにある人と、アジアにある人とでは、全然違う習慣があるでしょうし、アメリカに渡って何世代目かによっても事情は違ってきます。

そんな前提を意識しながらも、わたし自身の経験を踏まえて、あえて誤解を恐れずにいうと、アメリカ人は陽気で外向的な人が多いです。

人が集まるところでも、気後れせずに自分の考えを堂々と述べる。
音楽が鳴り出すと、リズムに合わせて体が勝手に動く。
目が合えば、にこっと笑顔を向ける。
知らない人にもハーイと友達のように声をかける。

もちろん、アメリカにだっていろんなキャラの人がいます。はにかみ屋さんもいるし、ほとんど自分からは話さないおとなしい人だっています。でも、この社会には、外向的な立ち振る舞いが評価される雰囲気が色濃いように感じます。

実際、教育現場のあちこちで、その訓練をする場が仕組みとしてあります。例えば、キンダーガーテン(小学1年生になる前年の学年)に通う娘のクラスでは、毎週決められた時間に、クラス全員の前に出て、好きなトピックやモノについて発表する機会が設けられています。

渡米して間もないころは、日本社会の常識や美徳との大きな違いに戸惑うこともよくありました。わたしの目に映った「アメリカ人」の印象は、

どんな場にいても、自分を抑えることなく、自分らしく堂々と振舞っている。

こんな感じでした。

でも、あるとき、わたしは意外なことに気づきました。

アメリカ人は、人前で歌うのが恥ずかしいらしい

体を豪快にくねくねさせて踊ることはできるのに?
初対面でも、ばんばんジョークを飛ばして笑いが取れるのに?

わたしは、アメリカ人一般に抱いていた印象とギャップがあるように感じました。思いがけない弱点を見つけたような気がしました。

日本ではどうでしょうか。人によって意見は違うでしょうけれど、人前で歌うか踊るか、どちらかを必ず選ばないといけないとしたら、わたしなら歌う方を選びます。踊れと言われると抵抗が大きいです。

統計をとったこともないし、公開されたデータも見たことがありませんが、日本では、おそらく歌うことを選ぶ人の方が多いのではないでしょうか

これはきっと、カラオケ文化の影響だと思うのです。(アメリカからみると)恥ずかしがり屋の多い日本人でも、友人たちの前で歌を歌うことは、まあできるのではないでしょうか。どれくらい心地良く歌えるかは別としても。

カラオケ文化の浸透していないアメリカでは、普通、人前で歌う経験は非常に珍しいことです。あんな陽気で勢いのある人たちも、マイクを向けられて歌えと言われると、ちょっと怯むらしいのです。

前に一度、夫をカラオケに誘ったことがあります。大勢を前にしたプレゼンをいつも堂々とこなす彼が、カラオケに行くのは、「君と二人だけならいいけど」などと可愛らしいことを言うのです。

やっぱり慣れていないことをいきなりやるのは、誰にだって難しい


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
Xもやっています。繋がってくださると嬉しいです。https://twitter.com/Matsumura_us

《日本とアメリカの違いについて書いた記事》

55日目。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?