無題8

夜の詩「旅路の置き手紙」


急に寒くなったねと

言う私に うなずく母の

目じりの皺が優しげだった

きっと いつまでも感謝するでしょう

あなたの子供でいられたこと


もう何もかも嫌になったと

言う私を 叱った父の

拳が固く握られていた

きっと いつまでも覚えているでしょう

あなたの力強い声を


きっと きっといつまでも

忘れることはありません


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