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『アークナイツ』とかいうソシャゲが、なんか人気ある理由

最近3周年を迎え、アニメも放送され、日々クソみたいな地獄で私達を楽しませてくれる『アークナイツ』。

追っているゲームライターに触発されて、「アークナイツというゲームのいかに素晴らしいか」を文字にしようと書いている。
...書いているのだけど、メモをまとめ、(生意気にも)プロットを組み、こうして書き出したが「他のソシャゲと根幹は変わらない。」という事実は覆せないのかもしれない。

プレイヤ―は毎日のように強化アイテムを集めるために同じステージを延々と周回し続け、いまどきステージスキップも搭載されてない(友達に勧めたらこの点を突っつかれた)し、高レアキャラはどいつもこいつも笑うほど強い。

サービス初期からトップクラスの術師として君臨する『エイヤフィヤトラ』。
彼女の高火力と優秀すぎる汎用性は、他の術師系キャラの価値を
「いかにエイヤと差別化するか」に定義付けてしまった。

ゲーム内アニメーションもデフォルメされたキャラで省略され、シナリオパートも「紙芝居」だ。

後発のスマートフォン向けタイトルにはもちろん、インディーゲームに対しても、その点勝っているとは言えない。
では一体何が私達プレイヤーを引き付けるのだろうか。

結論から言えば、それは「ゲームの勝者」の不在と、それによる自由によるものだ。

意外に複雑なシステム

しょっぱなから散々ゲームのことを悪く言ってしまったので、誤解の無いように。『アークナイツ』ゲーム性は非常に戦術的だ。

ビジュアルの露出は多い本作だが、ゲームプレイはあまり見る機会が無いので少し説明する。

・ルートに合わせ侵攻してくる敵をユニットを配置して対処する
「タワーディフェンス(TD)」型ゲーム。
・マス目で区切られたステージにあらかじめ編成したチームを配置して
戦う。
・ユニットはステータス、攻撃範囲、出撃コスト、特殊スキルなどがそれぞれ異なり適材適所なプレイが重要。

攻略動画はネットに溢れているので、そちらを見てもらうと分かりやすいだろう。

本作の特徴として、最大13体のユニットをマス目上のステージにプレイヤー自ら迎撃する方向を決定し配置できる。また、配置したユニットを撤退させ、別地点へ再配置をすることも可能だ。

これにより手数が増えると同時にステージの隅々まで活用できるので、ただ場所と向きを決めて配置するシンプルな操作に柔軟な戦術が加わる。
高レアが強いだのなんだの書いたが、実は腕の良いプレイヤーはそんなものに頼らなくとも攻略可能なのだ。

ボスへの理解を基に戦術を固め、レベル制限の厳しい低レアオペレーターで攻略する例を紹介したい。



ゲームの優劣を決めるのはプレイヤースキルか、資金力か。

『アークナイツ』がプレイヤーの技術や知識に大きく影響を受けることは明らかだが、純粋にプレイヤーの腕前を求めるゲームというわけではない。

それはやはり「ガチャ」の存在とオペレーターの育成要素の存在のためだ。

前述の通り、結局高レアオペレーターは強力無比で彼らを高レベル帯まで育て上げるのが攻略上とても有効だ。

実際のところ、「昇進」というレベルキャップ開放と新スキル解放をまとめたような手順を踏む必要があり、これがレアリティの高さに応じて相当な数のアイテムを要求してくるため「ガチャを引けば勝てる」とまではいかないが、ガチャの存在がゲームプレイを優しくしているのは間違いない。

さて、こうした有料コンテンツの参加度合いに応じて優劣が付くゲームを「pay to win」ゲームと揶揄する様を(最近はそうでもないが)見かける。一方、ゲームバランスが比較的公平でプレイヤーの能力に応じて勝敗を決するものを「play to win」と呼ぶのだが、こちらも死語かもしれない。

ちなみにどちらも頭文字を取って「p2w」などと略される。

『アークナイツ』はこの相反する「p2w」の要素を同時に持ち合わせているようにも見える。しかし『アークナイツ』はそのどちらにも分類されない。

『アークナイツ』が回帰したソロプレイ性

なぜなら『アークナイツ』には、そもそも「勝者」が存在しないからだ。

このゲームには確かに厳しい「スタミナ」の消費や理不尽な高レアキャラが存在するが、レイドバトルやクランといった強力要素、またプレイヤー間対戦やランキングといった競争要素が存在しない。
これは自分と、『アークナイツ』をプレイする他プレイヤーの間の利害関係は(ほとんど)存在しないことを意味する。
タイトルに反するが、これは「ソーシャルゲ―ム」と呼ぶべきかどうかも怪しい。

フレンドにオペレーターを貸しフレンドポイントを得ることは出来る。
しかしその報酬はささやかで、借りる側のレベルキャップの影響を受けるため
お互いのゲームプレイへの影響は小さい。

プレイヤー同士が無関係であることで、高いプレイヤースキルにも、重課金者であることにもゲーム内の価値は生まれない。
あなたが最低限の戦力で華麗に戦おうが、何十万円もつぎ込み無敵の軍団を作り上げようが、誰にも影響を与えないのだ。これが『アークナイツ』の攻略に一定の自由を与えている。

立ち向かう困難すら自ら選択する「危機契約」

さらに素晴らしいのが『アークナイツ』のエンドコンテンツであり、メインコンテンツでもある「危機契約」の存在だ。
これはイベント用に公開されるステージを攻略するだけのイベントなのだが、「契約」と呼ばれる細かい難易度設定機能が特徴だ。

例えば「特定の役割オペレーターの出撃禁止」や「戦力が整わないうちに強敵が現れる(強力なオペレーターほど配置までに時間がかかるので影響が大きい)」など様々で、これが1つのステージに対して複数のバリエーションを持たせ、プレイヤーによる任意の難易度調整を可能にしている。

2週間ほどの期間で新しく実装されるステージは多くて2種類であるにも関わらず、より高い難易度まだ見ぬ解法を求めて遊びつくせるのだから、サービス初期からナンバリングを10まで重ねているのもうなずける。

加えて重要なのは「すべての契約を達成する必要はない」点だ。自分の戦力とプレイスタイルに合わせ、苦手な契約を避けることがイベント攻略のキモとなっており、ここでもソロプレイ故の自由な進行が可能だ。

余談(シナリオについて)

他プレイヤーに対しての「勝利」が存在しないことがゲームプレイ上の自由を産み出している。とここまで主張してきたが、『アークナイツ』のシナリオにおいても「勝利」のむなしさが影を落としている。

プレイヤーは襲い掛かるテロリスト、金で雇われた傭兵や、海から現れる名状しがたい生物などに対抗するべくオペレーター達を訓練し、編成するのだが、彼らの本職はPMCのような戦闘員ではない。
彼らは惑星テラに蔓延する死の病、鉱石病(オリパシー)の治療を目標にする製薬会社「ロドス・アイランド」の社員である。

鉱石病の感染者は死後危険な感染源と化す。明確な治療法は発見されておらず、あの世界の医療レベルでは病状の進行を抑えることしかできない。
そのため、感染は故郷からの追放と激しい差別を受けることを意味する。

「ロドス」は病そのもの、そして恐怖や悪意、そして偏見を根絶するために奮闘するのだが、目の前の問題を解決したところであの地獄のような世界は無くならない。勝利に価値が無いのはゲームシステムに限った話ではない。

日々戦いに明け暮れる彼らが出来ることは、今日を生き残ることだけだ。
恐ろしい世界だと感じるが、私達が生きる世界も大概か。

そんな地獄のような世界で生きる彼らがどんな選択をし、どんな結末を迎えるか、一緒に見守っていただければ幸いだ。

2/28 16:00から水着イベントもやってるぞ!(なんで???)




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無料で読める部分だけでも素晴らしいので是非。怒られたらnote消します。

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