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無知の代償

早速双方をZoomで繋いでみることにした。

大きな誤算

実はこの日、とりあえず繋いでみたいということで、バタバタと作業をしていたところ、受信側の部屋にいる園長先生が、「何か手伝うことがあれば言ってくれよ」と声をかけてくれていた。

実はこのオファーは、園長先生自身が思っている以上に、僕にとって非常に助かるものだった。

それもそのはず、双方を繋いで状況を確認したいとはいうものの、僕一人では状況確認が困難なのである。

しかし、わざわざこのために誰かしらに来てもらうのもコストもかかるし理想的ではないため、当初の予定では、非常に面倒ではあるがZoomを録画して後から見直すことで状況を確認しようと思っていた。

だから、本当にその部屋にいてくれて音を聞いていてくれるというだけで、園長先生には感謝でいっぱいだった。

ということで、お言葉に甘えてお手伝いいただく事に。

まずは配信側のZoomでミーティングを設定、そちらを立ち上げた。

そして受信側のパソコンでもZoomを立ち上げミーティングのパスワードを打ち込みその部屋に入った。

もちろん僕は、これまでもZoomを何度も使用した経験があったので、スムーズに繋がることはわかっていた。

しかし、問題はここからだ。

園長先生 「なんだか音が小さいな~よく聞こえないな。」

そう、これまで僕がズームを行っていた時は、音が届かないなんてことはなかった。

しかし、それはそのはず、小さな部屋の中でお互いがパソコンの目の前に座って会話をしていたからだ。

場合によってはイヤホンを使用していたので、もちろんクリアに聞こえていた。

しかし、この園長先生がいる部屋は、小さめの部屋と言っても他のクラスと比べたら小さいというだけの話で、おそらく部屋のサイズ的には20畳は超えていた。

そして建物自体が古いこともあり、音が反響せずに外に逃げていってしまう。

実際は、同時にレッスンを受ける園児達の数は数十名になるため、全員イヤホンなんてありえない。

ここにきて、状況の違いにより単純なミスを犯したことに気が付いた。

絶対にスピーカーが必要だ。

そしてもう一つとても気になった事があった。

どうやら発信側と受信側にだいぶ時差を感じた。

同じ建物内、しかも隣同士の部屋を繋いだことで、配信側の音が受信側の部屋までダイレクトに聞こえてくるのだ。

そのおかげで、僕が配信側で話した声が、隣の園長先生のいる部屋のパソコンから流れてくる音が聞こえてくるのだが、そこには大きな時間のギャップがあった。

以前別の記事にも書いたが、僕の行うレッスンは音楽がメイン。

一緒に歌を歌ったり、ジェスチャーをしたりすることがメインだ。

こちらが歌ったタイミングと、そのフレーズが相手に届くタイミングが大きく違う状態で行うのはかなり難しい。

これは困った。

そんなこんなしていると、大したことをしていないがあっという間に3時間程度も時間が経っていた。

ひとまずこの日はこれだけでも十分な収穫と考え、園長先生にお礼を言って一旦片付けをした。

常識レベルの知識不足

片付け終わってから、とにかく早急に解決策を探さねばと考えた僕は、スタジオ部屋に一人で残り、ネットで検索しまくった。

「Zoom 音 遅れる」

「Zoom 遅延」

それらのキーワードで検索していると、まず簡単に試してみる価値がある情報が見つかった。

それは、WIFIではなく、インターネットを有線で繋ぐというものだった。

有線インターネットの方が速度が圧倒的に速く、リモートシステムのクオリティも全く違うというのだ。

ここにきてそんなこと言ってるのか?と呆れている方もいるかもしれないが、この発想は正直これまでの僕の中にはなかった。

僕自身本当に知識が乏しいと反省せざるを得ない。

こんなことも知らなかったなんて。

そして、スタジオ部屋にあるモデムの場所を確認して、有線のコードを2本購入することにした。

一本は短くていい。

幸いモデムは同じ部屋にある。

しかし、問題はもう一本である。

今の時点では、隣の部屋まで届く長さの有線を購入しなければならないと思ったが、実際にレッスンする部屋はおそらくここではないであろうと思っていた。

ということは、もっと先のことまで考えると、実際にレッスンするクラスをこの時点で確定していただき、そのクラスまで有線を引っ張らなければいけないということに気が付いたのだ。

これは果たして可能なのか?

何メートル必要なのかを計算してはいなかったが、パッと見たところ他のクラスはそこそこ離れていた。

一体、そんなに長いコード存在するのだろうか?

僕は、早速根本的な問題にぶち当たっていた。

独立するとは、自分の裁量で全て決められるということ。

しかし、それと同時に、誰にも頼れないということでもある。

これは正直、しんどい戦いが始まったと早速気が付いたのであった。

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