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ドイツの2つのクリスマスストーリー

先日、12月5日はクランプス*の日で12月6日は聖ニコラウス**の日でした。
これを教えてくれたのは、去年の今頃シェアハウスで一緒に住んでたオーストリア出身の女の子です。

*ヤギのような角をもつ恐ろしい顔の伝説の生き物。
**3〜4世紀に実在したギリシア人で、キリスト教の司教。

ドイツやオーストリア周辺の地域では、12月5日から6日にかけて町や村に聖ニコラウスとクランプスがやって来て子どもたちに良い子かどうか聞いてまわるという言い伝えがあります。その際、良い子は聖ニコラウスから木の実やりんごやオレンジなどの果物を、悪い子はクランプスから石炭や棒をもらいます。

クランプスが石炭や棒をあげる理由は、その昔、クランプスが悪い子の顔を石炭で汚したり、棒で叩いたりしたというところから来ているそうです。

このことから、子どもたちは12月5日の夜にはぴかぴかに磨いた靴を外に出しておいて、翌朝の朝にプレゼントをもらうようになりました。

私も、去年の12月6日には語学学校の先生からオレンジをもらいました。
家に帰って来たら、『HAPPY KRAMPUS & HAPPY NIKOLAUS』のメッセージと共にお菓子がキッチンのテーブルの上に置いてありました。そして、シェアハウスのみんなでそれぞれお菓子を持ち寄ってお祝いしました。

しかし、宗教改革者のルターがイエス・キリストの言葉のみに従うとしたため、聖ニコラウスの日を廃止しました。でも、プレゼントを配る文化はそのまま残したため、ここから12月24日のクリスマスの文化が始まりました。そして、その日、ドイツではChristkind(クリストキン)という妖精がプレゼントを持ってくることになっています。
そのため、ドイツの子どもたちは12月6日と12月24日の2回プレゼントがもらえるのです。

ちなみに、サンタクロースの由来は、聖ニコラウスからきています。
ドイツでサンタクロースはWeihnachtsmann(ヴァイナクトマン)=クリスマスの人と呼ばれて区別されています。


追伸:クリスマスとは関係ないのですが、ドイツでは、11月10日〜12月6日だけWeckmann(ヴェックマン)という人形のパンが売られます。
昔の人々が森の妖精に『無事に新しい年が迎えられますように』という願いを込めて、妖精を象って作ったのが始まりと言われています。
ちょっと気になって5件ほどパン屋をまわったのですが、あったのは中でも一番品揃えが多かった1店舗だけでした。想像よりも大きくきれいに包装されてからか、値段が思っていた倍したので買うのはやめてしまいましたが、味はロールパンに似てるそうです。

ドイツの美味しいもや面白い場所の発見に使わせていただきます!