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【読書】アガサ・クリスティー④
アガサ・クリスティーの作品を紹介するシリーズ、第4弾です。今回も5冊紹介していきます。
これまでの本シリーズの記事はこちらから↓
16.ナイルに死す
『ナイルに死す』アガサ・クリスティー#読了
— 花車📚 (@gerbera_reading) August 11, 2021
大金持ちで美人のリネットと夫は、エジプトを新婚旅行中、夫の元恋人につきまとわれていた。ポアロ含む様々な人が乗る船で、リネットは殺される。
物語の柱となる事件の真相があっと驚くものであることに加え、周辺の他の問題との調和も素晴らしかった。
とても贅沢な作品で、読むと大きな満足感を得られます。エジプトが舞台という広大さ、物語の柱となる事件の大胆さ、船に乗る人々の多様性。
「有名な恋物語はほとんどが悲劇」とポアロが語る最後も印象的です。海外旅行、恋愛、ミステリーのすべてを味わいたい方、ぜひ手に取っていただきたいです。
17.オリエント急行の殺人
『オリエント急行の殺人』アガサ・クリスティー#読了
— 花車📚 (@gerbera_reading) August 15, 2021
満室のオリエント急行内で、乗客の男が刺殺される。彼は、かつて幼い少女を誘拐し殺害していた。
結末は知っていたが、最後まで充分に味わえた。ポアロが10の謎を一つ一つ推理していくのが見事だった。作者の正義への想いもひしひしと伝わった。
とても有名な作品で、読んでいないけれど結末はご存じという方も少なくないかもしれません。
それでも、読んでみると、細かいところまで充分に味わうことができます。衝撃的なトリックだけでなく、順を追ったポアロの推理が素晴らしいです。
18.死との約束
『死との約束』アガサ・クリスティー#読了
— 花車📚 (@gerbera_reading) September 5, 2021
中東の遺跡を旅行中、家族を独裁支配するボイントン夫人が死亡。家族は誰もが彼女の死を願っていたと思われる中、ポアロが調査を始める。
ボイントン夫人のキャラクターは強烈だった。皆が大切な人を庇い合うために真実が見えにくくなる様子が面白かった。
元看守で子どもたちを完全に支配下に置くボイントン夫人のキャラクターが強烈で、とても印象的です。
『オリエント急行の殺人』もそうですが、いわゆる悪人が被害者となるお話は、読むと複雑な気持ちになります。もちろん、ポアロが言う、「被害者の人格とは全く関係がな」く、「個人的な私的な判断によって他人の生命を奪った者は、社会生活を送ることは許されない」というのが正しいと理解していますが、その人がいなくなることを願う側の人々の気持ちを考えると苦しいです。
19.ホロー荘の殺人
『ホロー荘の殺人』アガサ・クリスティー#読了
— 花車📚 (@gerbera_reading) September 20, 2021
ある週末、複雑な関係の人々がホロー荘に集まった。そこで、お客の一人、医師のジョンが殺害される。そばにはピストルを持った妻が立っていた。
ポアロの登場まで推理小説であることを忘れるくらい、濃い人間ドラマだった。とても好きな作品となった。
ジョンは過去の女優との恋愛の反動で、おとなしくて何でも彼の言うとおりにする女性ガーダを妻としましたが、今は彫刻家のヘンリエッタと特別な仲にあります。
ジョンを愛するヘンリエッタ。ヘンリエッタに何度も求婚したエドワード。エドワードのことを好きなミッジ。天真爛漫なルーシーが招いたお客たちの紡ぎ出すドラマに注目です。
事件に直接関係のある部分のみならず、ヘンリエッタが彫刻を作ったり壊したりするときの溢れる力強さや、ジョンに対して言う「自分自身から逃げようと」しているようだという言葉が心に残っています。これまであまり耳にしたことのない作品でしたが、お気に入りの一つとなりました。
20.牧師館の殺人
『牧師館の殺人』アガサ・クリスティー#読了
— 花車📚 (@gerbera_reading) September 20, 2021
ミス・マープル長編第1作。治安判事のプロザロー大佐が、牧師館で撃ち殺されていた。すぐに二人が自首するが、何かがおかしい。
事件は単純なようでなかなか真相に辿り着かないが、着実な観察と思考の積み重ねによるマープルの推理は本当に見事だった。
ミス・マープルの長編第1作です。マープルは可愛らしいおばあさんですが、実際に同じ村に住んでいたら、何もかも見通されている感じがして、少し怖いかもしれないなと思います。
時計や手紙、電話など、一つ一つの手がかりについて、マープルが着実な観察と思考で解き明かしていくのが見事で、最後はとてもすっきりしました。
★見出し画像紹介
イギリス、ロンドンにあるウェストミンスター大聖堂。ネオ・ビザンツ様式の、カトリックの教会です。
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