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【読書】アガサ・クリスティー④


アガサ・クリスティーの作品を紹介するシリーズ、第4弾です。今回も5冊紹介していきます。


これまでの本シリーズの記事はこちらから↓


16.ナイルに死す


とても贅沢な作品で、読むと大きな満足感を得られます。エジプトが舞台という広大さ、物語の柱となる事件の大胆さ、船に乗る人々の多様性。


「有名な恋物語はほとんどが悲劇」とポアロが語る最後も印象的です。海外旅行、恋愛、ミステリーのすべてを味わいたい方、ぜひ手に取っていただきたいです。


17.オリエント急行の殺人


とても有名な作品で、読んでいないけれど結末はご存じという方も少なくないかもしれません。


それでも、読んでみると、細かいところまで充分に味わうことができます。衝撃的なトリックだけでなく、順を追ったポアロの推理が素晴らしいです。


18.死との約束


元看守で子どもたちを完全に支配下に置くボイントン夫人のキャラクターが強烈で、とても印象的です。


『オリエント急行の殺人』もそうですが、いわゆる悪人が被害者となるお話は、読むと複雑な気持ちになります。もちろん、ポアロが言う、「被害者の人格とは全く関係がな」く、「個人的な私的な判断によって他人の生命を奪った者は、社会生活を送ることは許されない」というのが正しいと理解していますが、その人がいなくなることを願う側の人々の気持ちを考えると苦しいです。


19.ホロー荘の殺人


ジョンは過去の女優との恋愛の反動で、おとなしくて何でも彼の言うとおりにする女性ガーダを妻としましたが、今は彫刻家のヘンリエッタと特別な仲にあります。


ジョンを愛するヘンリエッタ。ヘンリエッタに何度も求婚したエドワード。エドワードのことを好きなミッジ。天真爛漫なルーシーが招いたお客たちの紡ぎ出すドラマに注目です。


事件に直接関係のある部分のみならず、ヘンリエッタが彫刻を作ったり壊したりするときの溢れる力強さや、ジョンに対して言う「自分自身から逃げようと」しているようだという言葉が心に残っています。これまであまり耳にしたことのない作品でしたが、お気に入りの一つとなりました。


20.牧師館の殺人


ミス・マープルの長編第1作です。マープルは可愛らしいおばあさんですが、実際に同じ村に住んでいたら、何もかも見通されている感じがして、少し怖いかもしれないなと思います。


時計や手紙、電話など、一つ一つの手がかりについて、マープルが着実な観察と思考で解き明かしていくのが見事で、最後はとてもすっきりしました。


★見出し画像紹介


イギリス、ロンドンにあるウェストミンスター大聖堂。ネオ・ビザンツ様式の、カトリックの教会です。



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