言説「LGBTばかりになったら国は潰れる」について

タイトルの言説は、正論(*)だが空論だ。
同様に次の言説も正論だ(が、むろん空論だ)。

「LGBTばかりになったらピラミッドは潰れる」

論理学的には、仮定が偽なら結論の真偽を問わずして
命題は真となる。(Principle of Explosion  爆発原理)

要するに、前提が間違っていればどんな帰結も導ける
(空論なら無限に〔爆発的に〕言える) ということだ。

統計によるとLGBTは現状高々8%と絶対的少数者だ
(感覚的には存外多いとみる向きもあろう)。また、
進化論, 遺伝学的見地から自然増の蓋然性は捨象できる
(環境ホルモン等、人工的な影響の議論は別に分岐) 。

「LGBTばかりになる」が否定された以上、
いかなる空論も展開できることがわかった。
では、言葉尻を捉えず意を汲み、

「同性婚を認めると同性カップルが増え、
人口減少に拍車をかけ、末に国家存亡の危機を招く」

としたらどうか?
それこそ正論然とはなったが、確たる暴論だ。

なぜならこの言説は, 亡国危機回避のため同性カップル
希望者らに自我を殺して異性婚にまわるよう暗示して
いるに他ならないからだ。

(説者がそれを否定するなら、少子化根因である異性
カップル減少の抑制に何ら資さず、言説の警鐘意義
自体、滅失してしまうことになる。)

以上より、空論ないし暴論、を本稿の結論としつつ、
直ちにこの顕現した人権侵害を手当(同性婚の法制化)
し、別途、実効的な対少子化施策を早急に打て、と
訴えたい。

*言説の真偽値が “真” という意味で “正論” とした。

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